スイングの流れ

アドレス

定義・特徴:ボールを打つ前にとる構えのこと。スタンス幅や前傾姿勢、ボール位置などを含めたショット前の準備動作で、正しいアドレスがスイングの基盤となる。

補足:アドレスが安定していないとスイング全体に乱れが生じやすくミスショットにつながる。クラブやショットの種類に応じて適切なアドレスを習得することが重要。

テイクバック

定義・特徴:アドレスからクラブを動かし始める最初の動作。クラブヘッドを後方に引き、腰の高さ付近まで上げるまでの動きを指し、スイングの方向性を決める重要な局面。

補足:テイクバックの滑らかさと方向がその後のスイングプレーンに大きく影響する。ゆっくりと安定したテイクバックを行うことでスイング全体のリズムが良くなり、ミスが減少する。

バックスイング

定義・特徴:テイクバックに続いてクラブをトップの位置まで振り上げる動作。肩や腰をしっかり回転させて体を捻転しながらクラブを持ち上げ、パワーを溜める過程。

補足:バックスイングでは体重が右足(右打ちの場合)に移り、筋肉に捻転エネルギーが蓄えられる。適切なバックスイングは飛距離の向上とインパクトの安定に直結する。

トップ

定義・特徴:バックスイングの最頂点でクラブが最大限に振り上げられた位置。スイングの切り返しに移る直前の状態で、左腕(右打ちの場合)が肩の高さ近くまで上がった瞬間を指す。

補足:トップではクラブシャフトが地面と平行かそれ以上に達するが、振り上げすぎ(オーバースイング)は不要な力みを生む原因となる。バランス良く安定したトップの位置が理想的とされる。

ダウンスイング

定義・特徴:トップからボールに向かってクラブを振り下ろす動作。下半身のリードで体の回転を始動し、その動きに腕とクラブがついてくる形でヘッドを加速させていく過程。

補足:ダウンスイングでは体重が左足へ移り、腰と肩が開きながら腕を振り下ろす。正しいダウンスイングのタイミング(切り返しからインパクトまでの順序)が取れると、方向性と飛距離が安定する。

インパクト

定義・特徴:クラブヘッドがボールに当たる瞬間。スイング中唯一ボールと接触しエネルギーを伝える局面で、打球の方向・初速・スピン量などショットの結果を決定づける。

補足:理想的なインパクトではフェースが目標に正対し、ハンドファーストでボールをとらえる。体重は左足に乗り、溜めたエネルギーが最大限ボールに伝わるタイミングである。

フォロースルー

定義・特徴:インパクト後にクラブを振り抜いていく動作。ボールを打った後もスイングを止めず、クラブヘッドを目標方向へ送り出しつつ肩の高さまで振り抜く過程を指す。

補足:大きく取られたフォロースルーはインパクトがしっかりと行われた証拠であり、スイング全体のバランスの良さを示す。フォロースルーで体が目標方向にしっかり向いていると、スイングの完了形として美しいフィニッシュにつながる。

フィニッシュ

定義・特徴:スイングの完了時のポーズ。フォロースルーの勢いを受け止め、クラブを振り切った後に取る最終的な体勢で、片足立ちでバランスよく立っている状態。

補足:典型的なフィニッシュでは左足に体重が乗り(右打ちの場合)、胸と腰がターゲット方向を向き、クラブは背中側に回り込んでいる。バランス良くフィニッシュできることは安定したスイングができた目安となる。

グリップ・スタンス関連

オーバーラッピンググリップ

定義・特徴:グリップ(クラブの握り方)の一種。右手の小指(右打ちの場合)を左手の人差し指と中指の上に重ねて握る方法で、ハリー・バードンが広めたためバードングリップとも呼ばれる。

補足:最も一般的で多くのゴルファーに採用されている握り方。指を重ねることで両手が一体化しやすく安定したスイングにつながるが、手が小さい人はフィンガーの掛かりが浅くなる場合もある。

インターロッキンググリップ

定義・特徴:グリップの一種で、右手の小指と左手の人差し指を絡ませて握る方法。両手の一体感が非常に高く、ジャック・ニクラスやタイガー・ウッズも使用したことで知られる握り方。

補足:手の小さい人にも適しており、指を絡めることでクラブをしっかりホールドできる。ただし指同士が干渉するため人によっては違和感があり、長時間のプレーで指に負担を感じるケースもある。

テンフィンガーグリップ(ベースボールグリップ)

定義・特徴:全ての指でクラブを握るグリップ方法。左右の手の指が重なったり絡んだりせず、野球のバットを握るように10本の指すべてで握るスタイル。

補足:初心者や握力の弱い人でも握りやすいが、左右の手が分離しやすくクラブコントロールが難しくなる傾向がある。プロではほとんど使われない握り方だが、一部の女性やシニアで採用例がみられる。

ストロンググリップ

定義・特徴:グリップの握りの強さ(向き)を表す用語で、左手(右打ちの場合)の甲が上から多く見えるように握った形。フェースが自然と閉じやすくなり、持ち球がドロー系になりやすい握り方を指す。

補足:スライスに悩むゴルファーが採用しやすい握り方で、ボールをつかまえやすく飛距離も出しやすい。ただし極端なストロンググリップはフェースが被りすぎてフックボールを誘発しやすいので注意が必要。

ウィークグリップ

定義・特徴:左手の甲があまり見えないように握る弱めのグリップ。フェースが開きやすくなり、持ち球がフェード系(右方向への球筋)になりやすい握り方を指す。

補足:フックボールを避けたい場合や方向性を重視したい場合に用いられる握り方。球を上げやすくコントロールしやすい反面、力が伝わりにくく飛距離が出にくい傾向がある。極端にウィークすぎるとスライスの原因にもなる。

スクエアスタンス

定義・特徴:スタンス(足の位置)の取り方の基本形。両足先がターゲットライン(目標方向の仮想線)と平行になるように立つ構え方で、身体が目標に正対するオーソドックスなスタンス。

補足:方向性とバランスを保ちやすいため、もっとも標準的で推奨される立ち方。アイアンからドライバーまで様々なショットで用いられ、スイングの基準となる構えである。

オープンスタンス

定義・特徴:スタンスの一種で、右打ちの場合に左足を目標線より後方(遠ざかる方向)へ引いた構え。体が目標に対して左向き(開いた)状態になり、スイング軌道がややアウトサイドイン寄りになる。

補足:高い球やスライス・フェード系の球を打ちたいとき、あるいはバンカーショットなどで活用されるスタンス。開いた分だけ腰や肩も先行して開きやすくなるため、上体の動きを抑えて方向性を出す工夫が必要となる。

クローズドスタンス

定義・特徴:スタンスの一種で、右打ちの場合に右足を目標線より後方(遠ざかる方向)へ引いた構え。体が目標に対して右向き(閉じた)状態になり、スイング軌道がややインサイドアウト寄りになる。

補足:ボールを捕まえてドローボールを打ちたいときなどに用いられるスタンス。スイングプレーンがフラットになりやすく飛距離を出しやすい反面、開放が遅れるとプッシュアウトのミスにつながることもある。

クラブの動き

体重移動

定義・特徴:スイング中に体重を右足から左足へと移していく動作(右打ちの場合)。下半身のリードによる重心移動で、スイングにパワーと安定性をもたらす重要な要素。

補足:アドレス時は左右均等だった体重を、バックスイングで右足に乗せ、ダウンスイングからインパクトで左足へ移すのが基本。適切な体重移動ができないとスウェー(軸ずれ)やパワーロスの原因となる。

コック

定義・特徴:手首を折り曲げる動作のこと。バックスイングでクラブと腕の角度を鋭角(90度前後)に作ることで、ハンマーを振り上げるように手首に角度をつける動きを指す。

補足:コックを使うとクラブヘッドの位置が高くなりスイングアークが大きくなるため、飛距離を出しやすくなる。一方でコックを入れすぎたりタイミングを誤ったりすると、スイング軌道が不安定になりミスの原因となる。

アンコック

定義・特徴:バックスイングで作った手首のコック(角度)をダウンスイングで解放する動作。手首の折りをほどく動きで、インパクトに向けてクラブを加速させる役割を果たす。

補足:インパクト直前にアンコックが起こることでヘッドスピードが最大化され、ボールにエネルギーが伝わる。早すぎるアンコック(キャスティング)はヘッドが走る前に角度が解けてしまい、飛距離のロスやダフリの原因となる。

リリース

定義・特徴:ダウンスイングで溜めたパワーを解放しクラブヘッドを走らせる動作全般を指す。手首のコックを解くこと(アンコック)に加え、腕のローテーションでフェースをスクエアに戻す一連の動きを含む。

補足:適切なリリースによりインパクトでフェースが正面を向き、最大のエネルギーがボールに伝達される。リリースが早すぎるとフェースが開いたまま当たってスライスし、遅すぎるとフェースが閉じて引っ掛けや低い球の原因となる。

タメ

定義・特徴:トップからダウンスイングにかけて手首のコックと右肘の曲げを保ち、クラブヘッドを意図的に遅らせる動作。角度を維持したまま下ろし、インパクト直前までエネルギーを蓄える技術を指す。

補足:タメがあるとヘッドスピードが向上し飛距離アップに有効とされる。プロのように大きなタメを作るには下半身先行のスイングが不可欠だが、意識しすぎると動きがぎこちなくなり逆効果となる場合もある。

スイングプレーン

定義・特徴:クラブが描くスイング軌道の仮想的な平面。アドレス時のシャフト角度を基準にクラブが通る面を指し、その傾きや方向がスイングの軌道特性を表す。

補足:理想的には backswing から follow-through にかけてクラブが一貫したプレーン上を通るのが望ましい。プレーンより内側すぎる(フラット)軌道や外側すぎる(アップライト)軌道になると方向性のブレや当たりの不安定さにつながる。

シャローイング

定義・特徴:ダウンスイングでクラブを寝かせる(シャローにする)動作。切り返しで意図的にクラブをフラットな軌道に乗せ、クラブヘッドの入射角を浅くするテクニック。

補足:近年注目される技術で、シャローイングによりダウンブローが緩和されてダフリやスピン過多を防ぎ、インパクト効率を高めることができる。クラブがインサイドから下りやすくなるためスライス矯正にも効果的。

アップライトスイング

定義・特徴:スイングプレーンが立った(垂直に近い)スイング。クラブが高い位置を通り、腕が縦に振り上げられるスイング軌道で、全体的にコンパクトに見える。

補足:高い弾道を打ちやすく、アイアンでボールを上げたい時などに有利だが、軌道が急峻な分タイミングを外すとスライスが出やすい傾向がある。体格や柔軟性によりアップライトになりやすい人もいる。

フラットスイング

定義・特徴:スイングプレーンが浅い(水平に近い)スイング。クラブが横に長く振られ、腕が体の周りを回るような軌道で、全体的に大きく見えるスイング。

補足:低い弾道やドローボールを打ちやすく、飛距離を出すのに有利な反面、極端にフラットだと軌道がずれてダフリやプッシュの原因にもなる。柔軟性の高い人や長身の人はフラットなスイングになりやすい傾向がある。

スイングアーク

定義・特徴:スイング中にクラブヘッドが描く円弧の大きさ。アドレスからフォロースルーまでクラブヘッドが移動する軌跡の曲線半径のことで、円弧が大きいほどスイングアークが大きいと表現する。

補足:一般にスイングアークが大きいとクラブヘッドの遠心力を活かしやすく飛距離が出るが、その分スイングの再現性を保つには体幹の強さや柔軟性が必要となる。逆にアークが小さいと安定性は増すが飛距離は伸びにくい。

ボディターン

定義・特徴:体の回転(ターン)でクラブを振る動作やスイング手法。腕や手だけで振るのではなく、腰や肩など体幹の回転運動によってクラブを振り抜くことを指す。

補足:正しいボディターンによるスイングは大きなパワーと安定性を生み、手打ちを防ぐ効果がある。下半身リードで上半身がそれに追随する動きが理想で、体の回転と腕の振りが調和することで方向性と飛距離が向上する。

スウェー

定義・特徴:スイング中に体の軸が横にぶれてしまう動作。特にバックスイングで臀部や上体が目標と反対方向へスライドし、回転ではなく横移動してしまう状態を指す。

補足:スウェーが起きるとインパクト時に元の軸に戻れずミート率が低下する。ダフリやトップの原因にもなるため、スイング中は頭と軸をできるだけ動かさず、下半身の回転で体重移動することが重要となる。

シャットフェース

定義・特徴:クラブフェースが閉じた(被さった)状態になること。トップの位置でフェース面が空を向くような角度になったり、インパクトでフェースが目標より左を向く状態を指す。

補足:シャットフェースで当たるとボールは左に出たり低いフック系の球筋になりやすい。意図的にフックボールを打つ際に使われることもあるが、意図せずフェースが被っている場合は左へのミスが増えるため注意が必要。

オープンフェース

定義・特徴:クラブフェースが開いた状態になること。トップの位置でフェース面が地面を指すような開いた角度になったり、インパクトでフェースが目標より右を向いている状態を指す。

補足:オープンフェースで当たるとボールは右に出たりスライスしやすくなる。ロブショットなどで意図的にフェースを開いて使う場合もあるが、意図せず開いていると方向性を欠きスライスの原因となる。

オーバースイング

定義・特徴:トップでクラブが必要以上に振り上げられた状態。クラブシャフトが地面と平行を越えて目標方向に大きく垂れ下がるほど振りかぶってしまう動きを指す。

補足:オーバースイングになると切り返しのタイミングが取りづらくなり、ミート率や方向性の低下を招きやすい。柔軟性が高い人に起こりやすいミスで、コンパクトなトップを意識することで改善できる。

コンパクトスイング

定義・特徴:振り幅を抑えた無駄の少ないスイング。クラブを振り上げすぎず肩より手前でトップを作るような、小さめの振り幅で収めたスイングスタイルを指す。

補足:スイングをコンパクトにすることでタイミングが取りやすくなりミート率が向上する。飛距離は多少抑えられるものの方向性が安定しやすいため、狙いどおりに打ちたい場面で有効なスイングと言える。

ハーフスイング

定義・特徴:スイング幅を半分程度に抑えたスイング。左腕が地面と平行になるくらいの位置でトップを止める中くらいの振り幅で、フルスイングの50%程度の動きを指す。

補足:練習でフォームを固める際や、比較的短い距離のアプローチショットで用いられる。フルスイングに比べて力みが減り、方向性とインパクトのミート率が高まりやすい。

スリークォータースイング

定義・特徴:フルスイングの約3/4程度の振り幅で振るスイング。クラブが地面と水平よりやや上くらいの位置でトップを迎えるスイングで、フルショットより抑えめの振り。

補足:フルスイングほどの飛距離は出ないが、その分ミート率と方向性を向上させたいときに使われる。中途半端な距離を調整する際にも有効で、振り過ぎによるミスを防ぎ安定したショットにつなげられる。

手打ち

定義・特徴:腕や手先の力だけでクラブを振ってしまうスイングの状態。下半身の体重移動や体幹の回転が不十分で、腕の振りに頼った不安定なスイングを指す。

補足:手打ちになるとパワーが出ずボールが飛ばない上に方向性も狂いやすい。改善するには下半身主導で体全体を使ったスイングを心がけ、腕と体の同調(シンクロ)を意識する必要がある。

ハンドファースト

定義・特徴:インパクト時にグリップ(手元)がクラブヘッドより目標方向に出ている状態。特にアイアンで望ましい形で、ボールより先に手元が目標側にあるためロフトが適度に立ち強い打球が生まれる。

補足:ハンドファーストに打てるとボールに効率よく力が伝わり、低スピンで伸びのある球が出る。上級者は意識的にハンドファーストのインパクトを作るが、初心者は手元が遅れてハンドレイトになりがちで飛距離をロスしやすい。

ハンドアップ

定義・特徴:アドレス時に手元の位置が高い構え方。腕とクラブの角度が浅くなり、グリップエンドが体から離れ気味でクラブのトウ側(先端)が浮きやすいセッティングを指す。

補足:極端なハンドアップではクラブのソールが地面にきちんと接しにくくなり、打点のバラつきや方向性の不安定さを招くことがある。自身の体格に合った適切な手元の高さで構えることが安定したショットの秘訣である。

ハンドダウン

定義・特徴:アドレス時に手元の位置が低い構え方。腕とクラブの角度が深くなり、グリップエンドが体に近づきクラブのヒール側が浮き気味になる状態を指す。

補足:ハンドダウンが強いとクラブのトウが地面に刺さりやすく、方向性の狂いやダフリの原因になりうる。適度な手元の高さを保つことでライ角通りにソールでき、安定したインパクトにつながる。

ヘッドアップ

定義・特徴:インパクト前後に頭(顔)が起き上がってしまう動作。ボールを打つ前に上体が伸び上がり、目線が先にターゲット方向へ移ってしまうミス動作を指す。

補足:ヘッドアップが起きるとインパクトでクラブの最下点がずれ、トップや空振りなどのミスショットにつながる。対策としてはインパクトまで頭の高さと目線を保ち、ボールを最後まで見る意識を持つことが重要である。

ルックアップ

定義・特徴:ショット直後にボールの行方を見ようとして顔を上げてしまうこと。ヘッドアップと同義で使われることも多く、インパクトより先に視線が目標方向に移ってしまう動作を指す。

補足:ルックアップすると体の伸び上がりによりインパクトが不安定になり、ボールを正確にとらえにくくなる。打球の行方はインパクト後に確認すれば十分なので、ショット時はボールに集中し続ける忍耐が求められる。

ピボット

定義・特徴:スイングにおける体の回転運動やその軸を指す言葉。ゴルフでは背骨を中心とした軸回転、特に下半身主導での身体の回転動作をピボットと呼ぶことがある。

補足:正しいピボット動作では軸がぶれずに体が回転し、効率的な体重移動とパワー伝達が可能になる。軸が安定していればスイング中のバランスも向上し、ミスショットの減少や安定性アップにつながる。

切り返し

定義・特徴:バックスイングからダウンスイングへの移行動作。トップの位置で一瞬動きが切り替わり、クラブと体の動きの方向が逆転して振り下ろしに転じる瞬間を指す。

補足:スムーズな切り返しには下半身から先行して動き出すことが重要とされる。切り返しのタイミングが適切だとダウンスイングに無駄な力みが生じず、インパクトまでスムーズにつながる。タイミングを誤るとパワーロスやスイングプレーンのズレを招きやすい。

スイングテンポ

定義・特徴:スイング全体の所要時間やスピード感を指す言葉。バックスイングからダウンスイングにかけての動作の速さの度合いで、ゆったりしているか速いかといったスイングのテンポ(拍子)。

補足:テンポは人それぞれ固有のリズムとも言え、速いテンポが合う人もいればゆっくりが良い人もいる。大切なのは自分に合った一定のテンポで振ることで、一貫性のあるショットにつながる。練習ではメトロノーム等でテンポを安定させる工夫も有効。

スイングリズム

定義・特徴:スイング中の各動作間の調和や間合いを表す言葉。アドレスからフィニッシュまで一連の動作におけるタイミングの取り方や流れのスムーズさを指す。

補足:良いスイングリズムでは各動作が滑らかに連動し、力みなく自然なスイングになる。リズムが乱れるとぎこちない動きやタイミングのズレが生じ、ミスショットの原因となるため、音楽に合わせて素振りするなどリズム感を養う練習が有効である。

ワッグル

定義・特徴:ショット前にクラブや手首を小さく動かして行う準備動作。アドレスで構えた後、ボールの近くでクラブヘッドを軽く揺らしたり、手首を柔らかく使ってクラブを小さく振る仕草を指す。

補足:本番のスイングに入る前に緊張を和らげ筋肉の余計な力みを取る効果がある。人によってワッグルの仕方は様々だが、自分なりのルーティンとして取り入れることでスイングのリズムを整え集中力を高める役割も果たす。

フォワードプレス

定義・特徴:スイングを開始する直前に行うわずかな前動作。テイクバックに入るきっかけとして、アドレスの姿勢から一度手や体重を目標方向に軽く動かす動きを指す。

補足:アドレスで静止した状態からスムーズにスイング始動するためのトリガーとして多くのプロが取り入れている。小さなフォワードプレスを入れることで体がスイングの動きに移行しやすくなり、ぎこちないスタートを防ぐ効果がある。

インサイドアウト

定義・特徴:クラブのスイング軌道がインパクトにかけて内側から外側へ抜けていくもの。ダウンスイングでクラブが自分の体に近い内側ルートから入り、ボールと接触した後に外側方向へ抜けていく軌道を指す。

補足:インサイドアウトの軌道で当たるとボールはつかまりやすくドローやフック系の球が出やすい。適度なインサイドアウトは飛距離アップに役立つが、極端になるとプッシュアウト(右へのすっぽ抜け)や過度なフックを招くため注意が必要。

アウトサイドイン

定義・特徴:クラブのスイング軌道がインパクトにかけて外側から内側へ切り込むもの。トップからクラブが自分の体から遠い外側ルートで下りてきて、ボールと接触した後に内側方向へ抜けていく軌道を指す。

補足:アウトサイドインの軌道はボールに左回転を与えやすく、スライスボールの典型的な原因となる。力んで上から叩きにいくとこの軌道になりやすく、修正にはテイクバックでクラブを内側に引きすぎないことや、ダウンスイングで肩から開かない意識が有効である。

打球・ショットの種類

チップショット

定義・特徴:グリーン周りで用いる低い軌道のアプローチショット。ボールをあまり上げずに短く転がして寄せるショットで、クラブをあまり振り上げずにパターに近い動きで打つ。

補足:主にグリーンエッジ付近からピンまで距離がない場合に使用し、サンドウェッジから8〜9番アイアンまで状況に応じてクラブを選択する。転がり(ラン)を重視するためミスのリスクが低く、方向性と距離感の安定につながりやすい。

ピッチショット

定義・特徴:高い弾道でボールを上げて落とし、あまり転がさずに止めるアプローチショット。チップショットより振り幅が大きく、キャリーを稼いで柔らかくグリーンに落とす打ち方を指す。

補足:およそ20〜50ヤード程度のアプローチで多用され、サンドウェッジやアプローチウェッジで打つことが多い。バンカー越えやピンが手前にある場合など、障害物を越えてボールを止めたい場面に適している。

ランニングアプローチ

定義・特徴:ボールを極力上げずに地面を転がして寄せるアプローチショット。着地後に長くラン(転がり)させることを前提とした打球で、低い弾道でグリーンを狙う。

補足:グリーンまでの間に障害物がない場合に有効で、7〜8番アイアンなどロフトの立ったクラブで転がすことが多い。ボールの挙動が読みやすくミスの許容範囲が広いため、確実にグリーンに乗せたい場面で重宝する。

パンチショット

定義・特徴:低く押さえた力強い弾道で打つショット。スイングをコンパクトに抑えフィニッシュを浅く取ることで、風の影響を受けにくい低い球筋を出すテクニック。

補足:風が強い日のティーショットや林の下を通す必要があるときなどに活用される。通常よりスタンスを狭くしハーフスイング程度の振り幅で打ち、低スピンで前方に伸びる強い球を生み出す。

ロブショット

定義・特徴:高く上がって急激に落下し止まる軟らかいショット。ロフトの大きなウェッジを使用し、フェースを開いてボールを上げることで、短い距離で高い軌道を描かせる高度なアプローチ技術。

補足:バンカー越えや近距離でピンに寄せたい場面で有効だが、ミスのリスクも高い。フェースを大きく開き膝を柔らかく使って振り抜く必要があり、繊細なインパクトコントロールと練習量が求められるショットである。

フルスイング

定義・特徴:クラブを最大限に振り上げて振り切る全力のスイング。トップまでしっかりクラブを上げフィニッシュまで一連の動作を大きく行うもので、ショットの基本となる振り方。

補足:最大飛距離を得るためのスイングであり、特にドライバーショットやロングショットで用いられる。フルスイングはパワフルだが力みすぎるとミート率が下がるため、状況に応じてスリークォーターやハーフスイングとの使い分けが重要になる。

ミスショット

トップ(ミスショット)

定義・特徴:ボールの上部を叩いてしまい、球がほとんど上がらずに低く転がるミスショット。クラブがボールの頭を打つ形になり、ボールが地面を這うように前方へ転がってしまう現象。

補足:ヘッドアップや体が起き上がる動き、ボール位置のミスなどが主な原因。トップが頻発する場合は、膝の高さや前傾姿勢を安定させ、インパクトまで頭を残す意識を持つことで改善が期待できる。

ダフリ

定義・特徴:ボールの手前の地面を叩いてしまうミスショット(いわゆる「地面を叩く」ミス)。クラブヘッドがボールより先に地面に当たり、土や芝を大きく削ってボールが失速する現象を指す。

補足:体重が左足に移りきっていない時やリリースが早すぎる時に起こりやすく、力んだショットで生じがち。ダフリを防ぐにはスイングの最下点をボールの先に設定する意識で振り、体重移動とコックの解放タイミングを見直すことが有効。

シャンク

定義・特徴:クラブのネック部分(ホーゼル)に当たってボールが斜めに飛び出す致命的なミスショット。打球は右打ちの場合、極端に右斜め前方へ飛び、ほとんど距離が出ない。

補足:ゴルファーが恐れるミスの代表で、アドレス時にボールに近づきすぎている、ダウンスイングで手元が浮いてクラブが外から入る、体が突っ込む等が原因として挙げられる。シャンクが出始めたら、一旦落ち着いてボールとの距離や体の起き上がりをチェックし、スイング軌道を修正する必要がある。

テンプラ

定義・特徴:ボールが真上に近い高弾道で上がり、飛距離が大きくロスするミスショット。主にドライバーでクラブの上部(クラウン)に当たり、ボールが高く上がりすぎて前に飛ばない状態を指す。

補足:「天ぷらの煙」のように高く上がってしまうことからこう呼ばれる和製ゴルフ用語。原因としてはティーアップが高すぎたり、アッパーブローが強すぎることが多い。クラブのクラウンにボール痕が残ることもあり、飛距離も方向性も損なわれる大きなミスの一つ。

チョロ

定義・特徴:ボールがほとんど前に飛ばず目の前を少し転がるだけの大失敗ショット。極端なトップやスイングの空振りに近い当たり方で、数メートル程度しか球が進まない状態を指す俗称。

補足:初心者によく見られるミスで、ボールを正しく捉えられなかった結果生じる。スイングの軌道ズレや早すぎるヘッドアップが原因となることが多いため、基本に立ち返ってゆっくり振ることやボールを見る意識を徹底することで改善を図れる。