シンカグラファイト(株式会社シンカグラファイト・SyncaGraphite Inc.)は2014年1月7日、東京都葛飾区新宿で設立された国内工房系カーボンシャフトメーカーです。社名の「Synca」は「Synchronicity(同期)」と「進化」を掛けた造語で、カーボンパイプ製品の開発・製造を本業としつつ、ゴルフシャフトのオリジナルブランド「LOOP」を中核に展開しています。シャフト OEM 供給も手がけており、他社向けのカスタムシャフト設計・製造も行っているのが事業の幅広さです。
ブランドの代表ラインは LOOP シリーズで、LOOP PROTOTYPE :: H.D(Double Hold 製法でフレックスを段階的に変化させる先進的構造)、LOOP PROTOTYPE :: BW(Bubble Weight・50g 台前半の軽量低トルク)、NEO LOOP BubbleLight :: SE(40g 台のシニア・女性向け超軽量)、LOOP PROTOTYPE :: FW SEVEN(FW 専用60g 台)と、独特のネーミングと挙動キャラで構成されています。2025年7月25日には40g 台の競技志向シャフト「LOOP SLASH 4」が発売され、Toray の M40X 超高弾性素材を採用するなど、素材選定にもこだわりが見られます。フジクラ・三菱ケミカルのような量販大手とは違うキャラクターで、独自路線のカスタム専業ブランドとしての地位を確立しています。
ラインアップは LOOP PROTOTYPE シリーズ(H.D / BW / FW SEVEN などの挙動キャラ別モデル)、NEO LOOP シリーズ(BubbleLight :: SE などの超軽量帯)、LOOP SLASH シリーズ(2024〜2025 登場の競技志向ライン、SLASH 4 で40g 台軽量化)の3本柱。specialty はドライバー/FW 用カーボンが主体です。
設計の核は LOOP PROTOTYPE :: H.D の Double Hold 製法で、シャフトの中間部からバット側にかけて2段階のフレックス変化を作り、インパクト時に蓄えたエネルギーを解放することでヘッドスピードを最大化する独自構造。これにより「重量帯のわりに走り感がある」と評価され、軽量・低トルクの両立というシンカグラファイトの代名詞になっています。Bubble Weight(BW)は名前通りシャフトの一部に膨張部を持たせる構造で、50g 台前半の軽量帯ながら低トルクを維持する独特の設計。LOOP SLASH 4 は Toray T1100G(第3世代カーボン)と M40X 超高弾性素材をフルレングスで採用し、40g 台の競技志向シャフトとして方向性と飛距離の両立を狙うシリーズです。
ターゲット層はアベレージゴルファーから競技志向の上級者まで幅広く、特に「軽くて低トルクの飛距離重視シャフト」を求める層に支持されています。価格帯は実売6〜10万円が中心で、グラファイトデザイン Tour AD と同等〜やや下のハイエンド帯。流通は量販店ではほぼ並ばず、認定フィッティング店・ゴルフ工房経由のカスタム購入が中心です。
ゴルフスケールに登録された全47本のシャフトから、シンカグラファイトのつかまり・弾道の高さ・重量・トルク・調子を市場全体と比較しています。リシャフトや純正シャフトの素性確認に、いま使っているシャフトの近くを探す手がかりとして。
市場全カーボンシャフトの中で、シンカグラファイトの各シリーズがどこに位置するか(点 = シリーズの平均、灰点 = 市場全体)
シンカグラファイトは市場標準的な重量設定
軽いほど振りやすく、重いほど球が安定する
シンカグラファイトは市場標準的なトルク設定
値が小さいほど手元剛性重視、大きいほど捻り戻りを使う設計
シンカグラファイトのシャフトを発売年順に並べた年表。歴代モデルから廃番モデルまで横断比較できます。
同じ国内工房系カスタム専業として、シンカグラファイトとバシレウス(株式会社トライファス)は近いカテゴリーに位置しますが、ターゲット層に差があります。バシレウス(2011年設立)は赤塚恒夫氏の設計思想に支えられた上級者・競技ゴルファー向けの嗜好品としての色が強く、AB マップによる挙動分類とギリシャ神話・ギリシャ文字の世界観を売りにしています。シンカグラファイト(2014年設立)は LOOP の独自挙動キャラ(Double Hold / Bubble Weight など)で軽量・低トルクの飛距離重視を打ち出し、アベレージ〜競技志向まで幅広い層を拾っているのが特徴。「上級者向け嗜好品のバシレウス」「軽量飛び系も含めて拾うシンカグラファイト」と覚えると整理しやすいです。
ハイエンド帯(実売6〜10万円)として価格帯は近いものの、グラファイトデザイン Tour AD は1989年創業の業界中堅で、量産規模・モデル数・流通網の広さに強みがあります。認定フィッターの常備在庫も豊富で、純正カスタムオプションでも採用例が多い定番ポジションです。シンカグラファイトはカスタム専業の独立工房として LOOP 独自の挙動キャラ(Double Hold / Bubble Weight)に振り切った設計で差別化しており、「定番ハイエンドの Tour AD」「独自挙動キャラの LOOP」という棲み分けで選び分けられます。
フジクラ Ventus / 三菱ケミカル Diamana は テーラーメイド / キャロウェイ / タイトリスト の純正カスタムオプションで標準的に並び、追加料金2万円程度で組み込めるのが基本。シンカグラファイトは純正供給を行わず、フィッティング店経由で実売6〜10万円のハイエンドカーボンとして単品リシャフトする流通形態です。量販店で気軽に試せる量販大手と、認定店経由でじっくり選ぶシンカグラファイトでは、買い方そのものが異なります。