ドゥーカス(DOCUS)は、HARAKEN株式会社(茨城県古河市雷電町)が展開する国産ゴルフブランドです。ブランドの標語は「Do The Customer」。代表の原健太郎氏は公式サイトのコンセプトで「長年の販売、クラフト経験で培ったゴルファー目線、プロダクトへの厳しい見識を生かし、できるだけ多くのゴルファーが満足出来る商品作り」を掲げています。
沿革は公式に明記されています。2012年1月にDOCUSプロジェクトが始動し、2013年1月にHARAKEN株式会社を設立。2014年2月のジャパンゴルフフェアで初代701シリーズを発表し、同年6月に世界同時発売しました。2015年に第1回DOCUS OPENプロアマトーナメントを開催、2016年4月にアパレルのDOCUS DESIGNを発売、2017年1月の米国PGA SHOWで711シリーズを発表。2018年9月には全番手共通ウエイトシステムを搭載したRELOADEDシリーズ、2020年1月の米国PGA SHOWでRELOADED+シリーズ、2021年9月にはタングステンラバーを搭載したREVOLUTIONシリーズを投入しました(公式沿革ではいずれも「世界初」「特許出願中」と記載)。
現在はドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアン・ウェッジ・パターに加え、レディース/レフティ、LONGBOW・Slugger・RADAR・TRINITYといった自社シャフト、アパレル、シューズ、キャディバッグまでを自社ブランドで展開するフルライン構成です。取扱店は北海道から沖縄までの全国のゴルフ専門店・工房に広がり、海外も韓国・台湾・タイ・ベトナム・シンガポール・中国・マレーシアなどのアジア圏に加えてスイス、アメリカ、カナダに販路を持ちます。2026年8月時点でもRELOADED+ NEO Cアイアンの発売告知やDOCUS USAによる米国展開の準備が公式ブログで発信されており、現役で新製品開発が続いているブランドです。
ドゥーカスの最大の特徴は 完成品主義 です。公式の各製品ページには「ユーザー様へのヘッド単位販売は行っておりません」と明記されており、ヘッド単体を買って好きなシャフトで組むという地クラブ的な売り方は採っていません。代わりに「Assembled in JAPAN」として、自社シャフト(LONGBOW NEO/Slugger T2・T3/RADAR・RADAR2/TRINITY/FB)や日本シャフトN.S.PRO MODUS3などを装着した完成クラブを、シャフト違いの型番として並べる売り方をしています。購入者はフィッティングを受けたうえで装着シャフト違いのモデルを選ぶ形になります。
技術面の柱は3つです。ひとつ目は2018年のRELOADEDシリーズから続く 全番手共通ウエイトシステム(リローデッドウエイトシステム)で、着脱式ウェイトの組み替えで重心位置を調整します。ふたつ目は2021年のREVOLUTIONシリーズで導入された タングステンラバー で、REVOLUTION2ドライバーではヒール側にタングステンラバー3gを配置して適度なつかまりを出しつつ、スピンコントロールポケットでスピン量を最適化し、カーボンクラウンで低重心化しています。3つ目はRELOADED+ NEOドライバーの カーボン内蔵Wフェース で、チタンフェースの内側にカーボンシートを貼り合わせて反発と打感・打音を両立させる構造です。ドライバーは可変スリーブ(±1°)を標準装備し、ロフト・ライ角・フェース向きを4ポジションで変えられます。
パターはドライバー/アイアンとは別軸で、削り出し工房Gold Factoryとのコラボによる特注ラインが看板です。JSS RAIDEN、HUGA、JET BLACK、BLACK SHADOWといったシリーズに加え、ゼロトルク構造のSHAKA2も展開しています。アイアン・ウェッジ側にはJAPAN FORGED(軟鉄鍛造)シリーズがあり、シリーズごとに素材と仕上げを描き分ける構成です。なお型番はDCD711(ドライバー)、DCF711(フェアウェイウッド)、DCI701G(アイアン)、DCW701(ウェッジ)のように「DC+カテゴリー略号」で振られています。
価格は公式直営ショップ(shop-docus.com、HARAKEN株式会社運営)の税込価格で、ドライバーの完成品がREVOLUTION2 ¥115,500、RELOADED+ NEO ¥121,000、RELOADED 701 Limited ¥137,500〜¥184,800、高反発のRELOADED INFINITY ¥335,500。アイアンは単品 ¥35,200〜¥48,400、6本前後のセットで ¥143,000〜¥290,400、ウェッジは ¥35,200〜¥48,400です。パターは標準仕様のSHAKA2が ¥60,500、Gold Factoryコラボの特注モデルは ¥165,000〜¥748,000と幅があります(いずれも2026年8月時点)。
ブランド主催のDOCUS OPENプロアマトーナメントを2015年から毎年開催しているのも特徴で、ユーザーコミュニティ(公式が「DOSER」と呼ぶ層)との距離の近さがブランド運営の軸になっています。
ロッディオやバルドが、ヘッド単体販売とシャフト自由組み合わせを前提とした工房系の売り方を採るのに対し、ドゥーカスは公式に「ユーザー様へのヘッド単位販売は行っておりません」と明記し、自社シャフトを含む完成品として供給します。組み合わせの自由度で選ぶならヘッド単体売りのブランド、メーカーが決めたシャフト構成のなかから選びたいならドゥーカス、という違いになります。
エポン(遠藤製作所)や三浦技研は軟鉄鍛造アイアンの製造技術そのものを看板に据えるブランドです。ドゥーカスもJAPAN FORGEDシリーズで軟鉄鍛造を扱いますが、ブランドの中心はドライバーの構造技術(タングステンラバー、カーボン内蔵Wフェース、全番手共通ウエイトシステム)にあり、アイアン専業的な性格ではありません。加えてアパレル・シューズ・バッグ・自社シャフトまでを揃えるフルライン構成で、クラブ単体ではなくブランド全体で揃えられる点が異なります。
価格帯はドライバー完成品で11万円台〜、アイアンセットで14万円台〜と、テーラーメイドやキャロウェイのフラッグシップと同等かやや上の帯です。大手が量販店中心の流通と大量のツアー実績で選ばれるのに対し、ドゥーカスは全国の専門店・工房での試打とフィッティング、ブランド主催のDOCUS OPENなどユーザーとの接点を通じて選ばれる設計になっています。生産は「Assembled in JAPAN」を掲げる国内組み立てです。