2021年4月11日、オーガスタ・ナショナルの18番グリーンで、グリーンジャケットを着た松山英樹は深く長くお辞儀をしました。アジア人として、男子メジャー初の頂点。プレッシャーを背負って戦い続けた10年以上の歳月が、その一瞬に凝縮されていました。愛媛・松山の少年が、明徳義塾と東北福祉大を経て世界の頂点に立つまでの物語を、年表と名場面で振り返ります。最新成績・クラブセッティングは 選手ページ でご覧いただけます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1992 | 2月25日、愛媛県松山市生まれ。父は元アマチュアゴルファー |
| 2008 | 明徳義塾高校在学中、世界ジュニアゴルフ選手権15-17歳の部優勝 |
| 2010 | 東北福祉大学進学。アジアアマチュア選手権 (アジアアマ) 初優勝 |
| 2011 | アジアアマ2連覇 → マスターズ初出場で ローアマ獲得 (アジア人初) |
| 2013 | プロ転向。JGTOで 新人王・賞金王 ダブル受賞 (賞金2億円超) |
| 2014 | メモリアル・トーナメントで PGA TOUR初優勝 |
| 2017 | WGCブリヂストン招待大会優勝。世界ランク最高2位 |
| 2021 | マスターズ優勝 ― アジア人男子メジャー初制覇 |
| 2022 | ソニーオープン優勝 (PGA TOUR 8勝目)、東京五輪は4位タイ |
| 2024 | パリ五輪 銅メダル ― 日本男子ゴルフ五輪史上初のメダル |
| 2025 | PGA TOURジェネシス招待で通算9勝目 |
アマチュア時代から「世界で勝つ」を一貫して目標に掲げ、明徳義塾→東北福祉大という日本国内のエリート育成ルートを辿りながら、節目ごとに海外で結果を出してきました (Wikipedia)。
2021年4月、新型コロナウイルス禍で観客が制限されたオーガスタで、松山は最終日を首位タイで迎えました。バックナインで一時6打差をつける独走に持ち込みましたが、終盤の15番でのトラブル (3オンしようとして池に落とし、ボギー) で4打差に。最終18番、グリーン手前のバンカーから3打目を寄せ、最後はボギーパットを沈めて 1打差で優勝 (PGA TOUR公式)。
優勝が決まった瞬間、松山は感情をほとんど見せず、深くお辞儀をしただけでした。「自分のためでなく、応援してくれた人のために」勝った ― その姿勢が日本中の共感を呼びました。グリーンジャケットを着けてくれたのは、前年覇者のダスティン・ジョンソン。それまでアジア人男子のメジャー優勝は0で、これが文字通りの 歴史的快挙 となりました。
キャディの早藤将太との二人三脚も話題になりました。優勝の瞬間、早藤が深く一礼してピンを戻す映像は、世界中で「最も美しいキャディの所作」として称賛されました (Golf Channel)。
2024年8月、パリ五輪のゴルフ会場はル・ゴルフ・ナショナル (フランス・パリ近郊)。2018年ライダーカップの舞台にもなった欧州屈指の難コースで、松山は 17アンダー・単独3位 でフィニッシュし銅メダルを確定させました。プレーオフを経ることなく表彰台に立った瞬間でした (Olympics.com)。
2020年東京五輪では7名が並んだ銅メダル・プレーオフで最初のホールで敗退し、悔しい4位タイに終わっていました。3年越しの「あと一歩」を超えた銅メダルは、日本男子ゴルフ史上初の五輪メダル。表彰式では金メダルのスコッティ・シェフラー、銀のトミー・フリートウッドと並んで、晴れやかな表情を見せました。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| PGA TOUR通算優勝 | 9勝 (2014-2025) |
| メジャー優勝 | 1勝 (2021マスターズ) |
| WGC優勝 | 1勝 (2017ブリヂストン招待) |
| 五輪メダル | 1個 (2024パリ・銅) |
| 世界ランキング最高 | 2位 (2017年) |
| PGA TOUR通算獲得賞金 | 約5,400万ドル超 (2025年時点) |
| 日本人選手のメジャー優勝 | 男子で初 (女子は樋口久子・1977 LPGA全米女子プロ) |
PGA TOUR 9勝は 日本人男子歴代最多。「アジア人男子のメジャー優勝」「日本男子の五輪メダル」「PGA TOURで複数年連続勝利」など、いずれも日本ゴルフ史で前例のなかった記録を次々と更新しています。
メディア対応で多くを語らないことで知られる松山ですが、これは無口というよりも 「事前準備に徹底的に時間を割く性格」 の現れです。練習場で誰よりも早く到着し、誰よりも遅くまで残るのはPGA TOURでも有名な逸話。スイングコーチを置かず、自分のスイングを徹底的に分析する独自のスタイルで戦い続けてきました。
メディアへの言葉数は少ない一方で、後輩への面倒見が良いことも知られています。海外を主戦場とする日本人若手選手 (今平周吾・星野陸也ほか) にとって、松山の存在は 「あの人がPGA TOURで戦っている」 という心の支えになっており、後輩たちの海外挑戦の道筋を切り拓いた功績は計り知れません。
スポンサー契約面でも日本人ゴルファーの先頭を走っており、レクサス・野村ホールディングス・東京エレクトロンなどの大手と契約。2025年の総収入は約4,000万ドル規模と報じられました (Forbes)。
試合のフルラウンドはPGA TOURの公式アーカイブ (PGA TOUR LIVE) で視聴できます。日本のテレビ放送 (TBS系のメジャー中継、GolfnetworkのPGA TOUR全戦) でも特集が組まれています。
本人いわく「英語で正確に伝えることに自信がない」ため、慎重に言葉を選ぶ性格です。無口というより準備家タイプで、本当に伝えたいことだけを話します。
現時点 (2025年末) では2021年マスターズの1勝のみです。WGCやシグネチャー大会では複数回優勝しています。
こちらの記事は人生・名場面を物語として深掘りする読み物です。直近の試合結果・賞金ランキング・クラブセッティングは 選手ページ でご確認ください。
学生時代から松山を知る、最も信頼するキャディ。2021マスターズ優勝の瞬間、ピンを戻す前にコースへ深く一礼した姿が世界中で称賛されました。
本人は「マスターズの2度目の優勝」と「PGA TOUR通算2桁勝利」を目標に挙げています。2025年時点で9勝、もうすぐです。
最終更新: 2026-06-04