KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)が主催する韓国女子ツアーは、1978年の創設から半世紀近い歴史を持ち、米LPGAへ世代を超えて名手を送り出してきた「登竜門」です。1998年、ルーキーのパク・セリ(朴セリ)が全米女子オープンを制したことが韓国ゴルフ黄金期の起点となり、その背中を見て育った「セリ・キッズ」がやがて世界ランキングの上位を席巻しました。本記事では、賞金王とは別に年間最優秀選手を決める「大賞(テサン)ランキング」の二重構造、出場権制度、主要大会、そして日本での視聴方法までを、初めての方にもわかりやすく整理します。
KLPGAは 韓国女子プロゴルフ協会(Korea Ladies Professional Golf Association) の略称で、韓国国内の女子プロゴルフツアーを主催・運営する団体です。アジアの女子ツアーとしては最大規模で、自国では男子ツアーを上回る試合数・観客動員・テレビ視聴率・スポンサー規模を誇ります(USGA)。
協会の設立は 1978年。創設初年度の試合数はわずか1試合でしたが、半世紀近くをかけて世界有数のツアーへと成長しました(womensgolfhistory.com)。
2026年シーズンはKLPGAツアーとして 第49回シーズンにあたり、全31試合・賞金総額347億ウォン(約2,450万米ドル)という過去最高規模で争われます。1試合あたりの平均賞金は約11億2,000万ウォンと史上最大で、新規4大会が加わりました(Seoul Economic Daily)。
KLPGAの歴史は 1978年の協会創設に始まりますが、韓国ゴルフが世界の表舞台に躍り出た決定的瞬間は 1998年に訪れます。米LPGAルーキーだった パク・セリ(朴セリ) が、その年の 全米女子オープンを制覇。さらにマクドナルドLPGA選手権も勝ち、ルーキーイヤーに2つのメジャーを含む3勝を挙げました(thesportjournal.org)。
この勝利は韓国国内に爆発的なゴルフ熱を生み、テレビでパク・セリの優勝を見て育った少女たちは「セリ・キッズ(Se-ri Kids)」と呼ばれるようになりました。彼女たちが2000年代後半から米LPGAへ続々と進出し、デビュー10年後の2008年には42人もの韓国選手が米ツアーでプレーするまでになりました(Golf Digest)。
2010年代以降は パク・インビ(Inbee Park、米LPGA殿堂入り)、コ・ジニョン(Jin Young Ko、元世界ランキング1位) らがその系譜を受け継ぎました。なお、ソウル生まれでニュージーランド国籍の リディア・コ(Lydia Ko) も韓国系として知られます。KLPGAはこうしたスター供給の母体であり続けています。
KLPGAツアーは暦年制で、おおむね 3月開幕 → 11月最終戦の約8か月間に 全31試合(2026年) が組まれます。近年は開幕戦をタイなど海外で行う年もあります(2026 LPGA of Korea Tour(Wikipedia))。
シーズン中盤の7〜8月は、米LPGAのメジャーや海外大会と日程が重なり、韓国トップ選手が世界の舞台に出ていく時期にあたります。秋の最終盤に主要大会が集中し、ここで年間王者(大賞)とシード権の行方が決まります。
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 3月 | 開幕(年により海外開催) |
| 4〜6月 | レギュラー戦+メジャーが各地を転戦 |
| 7〜8月 | 米LPGAメジャーと連動。トップ選手は海外遠征 |
| 9〜11月 | 終盤戦。最終戦で年間王者(大賞)が確定 |
| 11月〜翌春 | オフ。シード順位戦(予選会)で翌季の出場権を争う |
KLPGAには性質の異なる2つのランキングがあり、混同されやすいので整理します。日本のJLPGAにおける「賞金ランキング」と「メルセデス・ランキング」の関係とよく似た二重構造です。
① 賞金ランキングは、その年に獲得した賞金額の合計で順位を決めるシンプルな指標で、トップが「賞金王(サンクムワン)」と呼ばれます。
② 大賞(テサン)ランキングは、各大会の順位を競技グレードで加重したポイントで年間の活躍度を測る指標です。年間1位の選手には「大賞(テサン=年間最優秀選手)」が贈られます。2024年シーズンからはポイント規定が改定され、上位大会・メジャーの比重がさらに高まりました。優勝者のポイントは2位の2倍に設定され、メジャー優勝者には100ポイント(従来70ポイント)が付与されるなど、勝利の価値が大きくなっています(골프한국)。
重要なのは、賞金王と大賞が別の選手になる年がある点です。2025年シーズンは、賞金王を ホン・ジョンミン(洪政玟) が、大賞を ユ・ヒョンジョ(柳賢祚) が獲得し、両者が分け合いました。ユ・ヒョンジョはシーズン1勝ながら18回のトップ10入りという安定感で大賞を手にしており、賞金額と年間ポイントが必ずしも一致しないことを象徴しています(レジャー新聞)。一方、その前年の2024年は ユン・イナ(尹イナ) が大賞・賞金王・平均最少打数をすべて独占しました(geconomy.co.kr)。
KLPGAレギュラーツアー(1部)の主な出場ルートは次のとおりです。
1. シード権:前年の大賞ランキング上位の選手に、翌年のレギュラーツアー出場資格(シード)が与えられます。
2. シード順位戦(予選会):シードを持たない選手が翌季の出場優先順位を争う、日本でいうQTに相当する予選会です。準会員選抜戦に合格して資格を得た選手や、シードを失った選手がここに挑みます。
3. 下部ツアーからの昇格:2部「ドリームツアー(Dream Tour)」や3部「ジャンプツアー(Jump Tour)」で結果を出すと、上位ツアーへの道が開けます。たとえば2部ツアーの賞金ランキング上位に入ることが1部昇格の条件のひとつです(egolf.jp)。
4. 外国人向けルート:KLPGAは近年、外国人選手に門戸を広げています。2022年に準会員選抜戦とジャンプツアーを外国人へ開放し、2023年からは外国人専用の「KLPGAインターナショナルQT」を新設。その優勝者には1部ツアーのシードが付与されます(egolf.jp)。
KLPGAには格式の高いメジャー大会があります。かつては5大メジャー制でしたが、2024年限りでハンファ・クラシックが終了し、2025年以降は4大メジャー制となっています(NamuWiki)。冠スポンサー名は年により変動します。
これらメジャーは大賞ポイントの配点が最も高く、シーズンの行方を大きく左右します。
黄金世代の象徴は、なんといっても パク・セリ(朴セリ) です。1998年の全米女子オープン制覇で韓国ゴルフブームの起点となり、2007年に世界ゴルフ殿堂入り、2016年に現役を引退しました。彼女に憧れた「セリ・キッズ」からは、キャリア・グランドスラムとリオ五輪金メダルを達成した パク・インビ(Inbee Park)、元世界ランキング1位の コ・ジニョン(Jin Young Ko) ら、世界の頂点に立つ選手が次々と生まれました。
現役のトップは世代交代が進んでいます。2024年に大賞・賞金王・平均最少打数の三冠を達成した ユン・イナ(尹イナ)、2025年に大賞を獲得した ユ・ヒョンジョ(柳賢祚)、同年の賞金王 ホン・ジョンミン(洪政玟) らが中心です。2026年シーズンの大賞ランキングでは イ・イェウォン(李イェウォン) が首位争いをリードしています(最新順位は下のランキングを参照)。
韓国のトップ選手の多くはKLPGAで実績を積んだのち米LPGAへ主戦場を移しており、KLPGAが「世界への登竜門」として機能していることがよくわかります。
KLPGAは韓国国内では SBS Golf や配信サービス WAVVE などが中継しており、これが一次情報に最も近い映像ソースです(2026 LPGA of Korea Tour(Wikipedia))。
日本からは、ネット配信サービス スポーツライブ+(プラス) がKLPGAの中継を扱っており、韓国女子ツアーを日本語環境で追える選択肢のひとつです(スポーツライブ+)。大会によっては ゴルフネットワークなど国内のCS・配信でも一部が取り上げられることがあります。
配信編成は大会・シーズンによって変わるため、視聴前に各サービスの最新の編成表を確認するのが確実です。最新かつ確実に追うなら、韓国の放送・配信(SBS Golf / WAVVE)が基本線になります。
料金・配信内容は変更されることがあります。最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
下部ツアーとして、KLPGAは2部「ドリームツアー(Dream Tour)」と3部「ジャンプツアー(Jump Tour)」を運営しています。レギュラーツアーのシードを持たない選手や新人が経験を積み、上位ツアーへ昇格していく育成の場です。
海外との関係では、米国の LPGA Tour(米女子) が世界最高峰であり、KLPGAはそこへ多くの名手を送り出す移籍ルートとして機能してきました。日本の JLPGA(国内女子) とも近く、「賞金ランキングと年間ポイントランキングの二重構造」という制度設計が似ています。近年は、日本のプロテストの狭き門を背景に、外国人へ門戸を開いた韓国ツアーを目指す日本選手も増えています(出場権の項を参照)。
その年の活躍度を競技グレードで加重したポイントで測る「大賞ランキング」の年間1位に贈られる、年間最優秀選手(Player of the Year)の称号です。賞金額そのものではなく、各大会の順位をポイント化して積み上げる点が特徴で、メジャーや上位大会ほど高いポイントが付きます。2024年からは規定が改定され、優勝とメジャーの比重がさらに高まりました。
別のランキングです。賞金ランキングは獲得賞金額の合計で決まり、トップが『賞金王』。大賞ランキングは順位を加重したポイントで決まり、トップが『大賞(年間最優秀選手)』です。基準が異なるため、別の選手が受賞する年があります。2025年は賞金王がホン・ジョンミン、大賞がユ・ヒョンジョと分かれました(ユは1勝ながら18回のトップ10で大賞を獲得)。
1998年のパク・セリの全米女子オープン制覇で生まれた『セリ・キッズ』世代に加え、ジュニア・アマチュアから下部ツアー(ジャンプ→ドリーム→レギュラー)へと続く体系的な育成システムが整っているためです。国内でも男子を上回る人気と賞金規模があり、層の厚い競争環境が世界トップ級の選手を生み続けています。
1998年、米LPGAルーキーだったパク・セリが全米女子オープンとマクドナルドLPGA選手権の2メジャーを制し、韓国に爆発的なゴルフブームを起こしました。その姿に憧れて競技を始めた世代が『セリ・キッズ』と呼ばれ、後に米LPGAで上位を席巻しました。彼女は2007年に世界ゴルフ殿堂入りし、2016年に引退しています。
あります。KLPGAは2022年に準会員選抜戦やジャンプツアーを外国人へ開放し、2023年には外国人専用の『インターナショナルQT』も新設しました。2025年6月時点でKLPGA会員と確認できる日本選手は12人ほどおり、多くは2部ドリームツアーや3部ジャンプツアーを主戦場にしています。ただし1部レギュラーツアーで定着した日本選手はまだ出ていません。
韓国ではSBS GolfやWAVVEが中継しています。日本からはネット配信の『スポーツライブ+(プラス)』がKLPGA中継を扱っており、大会によってはゴルフネットワークなど国内CS・配信でも一部が見られます。編成は大会・シーズンで変わるため、視聴前に各サービスの最新編成を確認するのが確実です。
最終更新: 2026-06-03