JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)が主催する国内女子ツアーは、年間37試合・賞金総額40億円超を誇る、日本で最も注目度の高いプロゴルフツアーのひとつです。樋口久子・岡本綾子からの歴史、宮里藍ブーム、黄金世代の台頭を経て、いまも世代交代が続く充実期にあります。本記事では「賞金ランキング」と「メルセデス・ランキング」の二重構造、シードやQTといった出場権制度、主要トーナメント、視聴方法までを、初めての方にもわかりやすく整理します。
JLPGA は 一般社団法人 日本女子プロゴルフ協会(LPGA of Japan) の略称で、日本国内の女子プロゴルフツアーを主催・運営する団体です。本部は東京に置かれ、選手会員・ティーチング会員などで構成されています。
協会の設立は 1968年。同年に第1回の選手権大会が行われて以来、半世紀以上にわたって国内女子ゴルフの中心を担ってきました(JLPGA 公式)。
現在のツアーは暦年(3月〜11月)で運営され、2026年シーズンは全37試合で争われます。2025年シーズンの賞金総額は約44億円規模に達し、女子スポーツのプロ興行としては国内最大級です(JLPGA 賞金ランキング)。
テレビ視聴の親和性も高く、地上波・BS・CS(ゴルフネットワーク)に加え、2026年からはインターネット配信が大きな比重を占めるようになりました(詳しくは「日本での視聴方法」を参照)。
JLPGA の歴史は 1968年の協会創設と、同年の第1回大会開催から始まります。黎明期を切り開いたのが 樋口久子で、1977年には海外メジャー(全米女子プロ)を制し、日本女子ゴルフの存在を世界に示しました。続く 岡本綾子は1980年代に米LPGAツアーで賞金ランキング1位に立つなど、海外で長く活躍しました。
2000年代に入ると 宮里藍の人気が社会現象となり、女子ゴルフ中継の視聴率と大会数が一気に伸びる「宮里藍ブーム」が起こります。これがその後の競技人口拡大と若手の層の厚さにつながりました。
近年の主役は 黄金世代(1998年度生まれ)です。畑岡奈紗・勝みなみ・原英莉花・新垣比菜らがこの世代に当たり、続く プラチナ世代(2000〜2001年生まれ)とともにツアーをリードしてきました。さらに近年は山下美夢有・竹田麗央らがトップに立った後に米ツアーへ主戦場を移し、佐久間朱莉ら新たな世代が頭角を現すなど、世代交代が継続中です。
JLPGA ツアーは 暦年制(おおむね3月〜11月)で、2026年は全37試合が組まれています(ゴルフネットワーク 大会日程)。
開幕戦は沖縄で行われる ダイキンオーキッドレディスです。2026年は第39回大会が 3月5日〜8日、沖縄県南城市の琉球ゴルフ倶楽部で開催され、賞金総額は1億2,000万円でした(ダイキン工業 ニュースリリース)。
シーズンは春から秋にかけて毎週のように各地を転戦し、11月の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」で年間王者が確定します。
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 3月 | 開幕(ダイキンオーキッドレディス・沖縄) |
| 4〜9月 | レギュラー戦+メジャーが各地を転戦 |
| 10〜11月 | 終盤戦・最終戦リコーカップで年間女王決定 |
| 11月〜翌春 | オフシーズン。QT(予選会)で翌季の出場権を争う |
JLPGA には性質の異なる2つのランキングがあり、混同されやすいので整理します。
① 賞金ランキングは、その年に獲得した賞金額の総合計で順位を決めるシンプルな指標です。トップが「賞金女王」と呼ばれます。賞金額の大きい大会で上位に入ると有利になりやすい特徴があります。
② メルセデス・ランキングは、各大会の順位を競技グレードで加重したポイントで年間の活躍度を測る指標で、2012年に導入されました(メルセデス・ランキングの詳細(JLPGA))。3日間競技は優勝200pt・2位120pt・3位90pt…と配点され、4日間大会は1.5倍、国内メジャーは2倍、海外(US)メジャーは4倍のポイントが付与されます。
重要なのは、2022年からは年間王者(年間最優秀選手=Player of the Year)とシード権の判定がメルセデス・ランキングに一本化された点です。賞金額ではなくポイントで「年間女王」を決める仕組みになっています。年間1位の選手には 4年間のシード権と「JLPGA Mercedes-Benz Player of the Year」の称号が贈られます。
そのため、賞金王とメルセデス王者が別の選手になる年もあります(例:2025年シーズンの途中経過では賞金ランキング首位とメルセデス・ランキング首位が異なっていました)。最終的に2025年は 佐久間朱莉が賞金女王(獲得賞金 約2億2,728万円・4勝)とメルセデス・ランキング1位の両方を制しました(JLPGA 賞金ランキング2025)。
直近のメルセデス年間女王(=年間最優秀選手)の推移は次の通りです。
| シーズン | 年間女王(メルセデス1位) | 補足 |
|---|---|---|
| 2020-21 | 稲見萌寧 | コロナ禍で統合された変則シーズン |
| 2022 | 山下美夢有 | 2022年から年間女王はメルセデスで決定 |
| 2023 | 山下美夢有 | 2年連続 |
| 2024 | 竹田麗央 | 8勝・史上最高賞金額を記録(JLPGA) |
| 2025 | 佐久間朱莉 | 賞金女王とメルセデス1位を同時制覇 |
JLPGA ツアーの主な出場ルートは次の4つです。
1. シード権:前年のメルセデス・ランキング上位50位以内の選手には、翌年のレギュラーツアー出場資格(=シード)が与えられます。前述のとおり、出場資格の判定は2022年からメルセデス・ランキングに一本化されています。年間1位は特別に4年シードを獲得します。
2. QT(クォリファイングトーナメント):シードを持たない選手が翌季の出場優先順位を争う予選会です。オフシーズンに行われ、上位の成績を収めるほどレギュラーツアーに出やすくなります(QT(JLPGA))。
3. ステップ・アップ・ツアーからの昇格:JLPGA の下部ツアーである「ステップ・アップ・ツアー」で賞金上位に入ると、レギュラーツアーへの出場機会が得られます(下部ツアーは「関連ツアー」を参照)。
4. プロテスト合格:JLPGA のプロテスト(最終プロテスト)に合格してプロ資格を得た選手が、QT などを経てツアーに参戦します。プロテストは「プロになる資格を得る試験」であり、QT は「出場権の優先順位を決める試合」である点が異なります。
JLPGA ツアーには格式の高いメジャー級の大会が複数あります。代表的なものは以下です。
これらは賞金もメルセデス・ポイントも大きく、シーズンの行方を左右する重要大会です。
2026年シーズンの国内ツアーは、若い世代がしのぎを削る構図です。メルセデス・ランキング(2026年5月31日時点)では 佐久間朱莉が首位に立ち、河本結・菅楓華・髙橋彩華・桑木志帆らが続いています(メルセデス・ランキング(JLPGA))。佐久間は2025年に賞金女王とメルセデス年間女王の二冠を達成し、2026年は開幕戦も制してシーズンをスタートさせました。
ここ数年でツアーをけん引した 山下美夢有(2022・2023年 年間女王)と 竹田麗央(2024年 年間女王・史上最高賞金額)は、2026年から米LPGAツアーを主戦場に移しました。米ツアーの2026年出場優先順位では山下が2番手、竹田が4番手と最上位カテゴリーに名を連ねています(GDO)。
また、JLPGA を経て海外メジャーで活躍する日本人選手も増えています。笹生優花は全米女子オープンを2度制し(2021・2024年)、古江彩佳は2024年のアムンディ・エビアン選手権、畑岡奈紗は2018年の全米女子オープンを制しています。彼女たちの活躍は、国内ツアーのレベルの高さを示す好例といえます。
直近の年間女王(メルセデス1位)の推移は「賞金ランキングとメルセデス・ランキング」の表を参照してください。
JLPGA ツアーは 地上波・BS・CS・インターネット配信で楽しめます。地上波・BS は大会ごとに放送局(TBS・フジテレビ系など)が異なるため、各大会の編成を確認するのが確実です。
ネット配信では U-NEXT が中心です。JLPGA は U-NEXT と独占配信契約を結んでおり、2026年シーズンは全37大会中35大会(日本女子オープンと TOTOジャパンクラシックを除く)の予選・決勝ラウンドがライブ配信されます(放送・配信予定(JLPGA))。
CS の ゴルフネットワークは女子ゴルフ中継の定番で、Amazonプライムの「ゴルフネットワークプラス」経由でも視聴できます。日本女子オープンと TOTOジャパンクラシックはゴルフネットワーク側の編成に含まれます。
まとめると、シーズンを通して幅広く追うなら U-NEXT、CS でじっくり見るならゴルフネットワーク、単発の注目大会は地上波・BS、という使い分けが目安になります。
下部ツアーとして、JLPGA は「ステップ・アップ・ツアー」を運営しています。レギュラーツアーのシードを持たない選手が経験を積み、賞金上位に入ればレギュラーツアーへの出場機会につながる育成・昇格の場です。
シニアツアーについては、男子のような独立した大規模シニアツアーは実質的に整備されておらず、JLPGA の中心はあくまでレギュラーツアーと下部ツアーです。
海外との関係では、米国の LPGA Tour(米女子)が世界最高峰で、山下美夢有・竹田麗央・笹生優花・古江彩佳ら多くの日本選手が参戦しています。アジアでは韓国の KLPGA(韓国女子)がレベル・人気ともに高く、選手交流や共同開催の文脈で関わりがあります。
その年に各大会で獲得した賞金額の合計が最も多い選手が「賞金女王」になります。賞金額そのものを競う指標なので、賞金総額の大きい大会の成績が大きく影響します。なお年間王者(年間最優秀選手)の決定は2022年からメルセデス・ランキングに一本化されており、賞金女王とメルセデス年間女王は別の指標です。
各大会の順位を競技グレードで加重したポイントで年間の活躍度を測るランキングで、2012年に導入されました。3日間競技は優勝200pt・2位120pt…と配点され、4日間大会は1.5倍、国内メジャーは2倍、海外(US)メジャーは4倍のポイントが付きます。2022年からはこのランキングで年間女王(Player of the Year)とシード権を決定し、年間1位には4年シードが与えられます。
プロテストは「プロゴルファーになる資格を得るための試験」で、合格するとJLPGAのプロ資格が得られます。QT(クォリファイングトーナメント)は「ツアー出場の優先順位を決める予選会」で、すでに資格を持つ選手やシードを失った選手が翌季の出場機会を争います。資格取得がプロテスト、出場権獲得がQT、と整理すると分かりやすいです。
どちらもメジャー級の大会ですが、主催が異なります。日本女子オープンは日本ゴルフ協会(JGA)が主催するナショナルオープンで、プロ・アマ問わず日本一を決めます。日本女子プロゴルフ選手権(コニカミノルタ杯)はJLPGA自身が主催するプロの選手権です。両方ともJLPGAのメジャーに位置づけられています。
両選手とも2026年から米LPGAツアーを主戦場に移しました。2026年の米ツアー出場優先順位では山下美夢有が2番手、竹田麗央が4番手と最上位カテゴリーに位置づけられています。国内ツアーで年間女王を経験した実力者の海外挑戦として注目されています。
JLPGAレギュラーツアーの下部ツアーです。シードを持たない選手が試合経験を積む場で、賞金上位に入るとレギュラーツアーへの出場機会につながります。若手の登竜門であり、ここで結果を出してトップツアーへ昇格していく選手が多くいます。
活躍しています。笹生優花は全米女子オープンを2度(2021・2024年)、畑岡奈紗は2018年の全米女子オープン、古江彩佳は2024年のアムンディ・エビアン選手権を制しています。いずれもJLPGAやアマチュア時代の経験を経て世界の頂点に立った選手です。
見られます。ただし地上波・BSは大会ごとに放送局が異なるため、各大会の編成確認が必要です。シーズンを通して幅広く追うならU-NEXT(35大会をライブ配信)、CSでじっくり見るならゴルフネットワーク(Amazonプライムの『ゴルフネットワークプラス』経由でも視聴可)が便利です。詳しくは『日本での視聴方法』を参照してください。
最終更新: 2026-06-01