株式会社キャスコは1959年、香川県大川郡白鳥町(現:東かがわ市)で「鎌田利商店」として創業し、高級ドレス手袋の製造からスタートしました。1964年に「鎌田利株式会社」を設立してゴルフ・ボウリング用グローブの製造を開始し、ここから本格的にゴルフ用品メーカーへ進化していきます。香川県・東かがわ市は手袋産業が日本一集積する地域で、キャスコもその地場産業を母体としたメーカーです。1992年にキャスコ販売株式会社を吸収合併する形で社名を「キャスコ株式会社」とし、本社を香川県大川郡志度町(現:さぬき市)に移しました。クラブとボールも自社事業として手がける総合ゴルフメーカーへ成長したのは1990年代以降で、本社は現在も香川県さぬき市にあります。
ブランドのアイコンとなっているのが DOLPHIN(ドルフィン)ウェッジです。イルカのマークが特徴的で、バンカーから出やすいバンス角設計とソール形状で、初心者・パブリック層を中心に幅広いゴルファーに長く支持されています。実売価格は3千〜5千円台と、量販ウェッジの中でも特にエントリー寄りの価格帯。これがキャスコの代表アイテムとして、量販店の定番として長年棚に並んでいます。ボール事業では BLACK SERIES などのウレタンカバーボールも展開しており、シニア層・アマチュア層に向けた中価格帯のラインナップも揃えています。
DOLPHIN ウェッジは現行ラインナップ中の看板商品で、SW(サンドウェッジ)を中心にロフト角別のバリエーションを展開しています。実売3千〜5千円台というウェッジ単品としては手頃な価格帯で、初心者・パブリック層に「最初の一本」として広く選ばれているのが最大の特徴です。バンカーから出やすいバンス角設計とソール形状の最適化で、寛容性を重視するゴルファーから扱いやすいウェッジとして長年支持されています。
ドライバーは POWER TORNADO シリーズなどを展開しています。アイアンや女性向けの STAR、LADIES シリーズも揃えており、女性ゴルファー向けの軽量セットを比較的手頃な価格帯で提供する点も特徴です。
ボール事業は BLACK SERIES(ウレタンカバーの上位機)を中心に展開し、ツアー使用は限定的ですが、シニア層・アマチュア層向けの中価格帯ボールとして安定したシェアを持ちます。クラブもボールも「エントリー〜ミドル価格帯で量販店の棚に揃う総合ゴルフメーカー」というブランドポジションで、長年定着している老舗メーカーです。
ゴルフスケールに登録された全41本のクラブから、キャスコのスペック分布図を市場全体と比較しています。
キャスコは全クラブ種で市場より低価格(コスパ志向)
市場中央値を 0 とした キャスコの価格差(直近3年・メーカー希望小売価格 / 純正シャフト構成ベース。価格未登録モデルは集計から除外)
キャスコは市場よりやや重量寄り
軽いほど振りやすく、重いほど球が安定する
キャスコのゴルフボール10モデルを展開。構造・スピン・打感・価格まで比較できます。
国内ウェッジ市場では、フォーティーン(軟鉄鍛造の RM 系、実売2〜4万円)とクリーブランド(RTX 系、実売1〜3万円)が「ウェッジ専業二強」として中・上級者層に向けたミドル〜ミドルアッパー帯で展開しているのに対し、キャスコ DOLPHIN は実売3千〜5千円台のエントリー帯にチューニングした構成です。価格帯と狙う層が明確に異なるため直接の競合というより、扱いやすさと価格を優先するゴルファーが手に取りやすい入口ウェッジ、という棲み分けで認識されています。スイングや好みが固まってきた段階で軟鉄鍛造ウェッジを試してみたくなれば、フォーティーンやクリーブランド、Vokey などへ広げていく流れが一般的です。
本間ゴルフが BERES(プレミアム)と T//WORLD(ツアー)でミドルアッパー〜超プレミアム帯を主戦場にし、グローブライド ONOFF が AKA/KURO でミドル帯を狙うのに対し、キャスコは DOLPHIN ウェッジを中心としたエントリー帯のラインナップが中心。価格帯が異なるため顧客層も別で、扱いやすさと価格を優先するならキャスコ、装飾や打感のプレミアムを求めるなら本間/ONOFF、という棲み分けです。
クラブだけでなくボールも展開しているメーカーは国内では限定的(ブリヂストン、住友ゴム=スリクソン、本間など)ですが、キャスコもその一つ。BLACK SERIES などウレタンカバーの中価格帯ボールを揃えており、シニア層・アマチュア層向けの選択肢として根強い支持があります。