グローブライド株式会社(旧社名:ダイワ精工)は、釣り具メーカーDAIWA(ダイワ)として広く知られる東証プライム上場企業(7990、本社:東京都東久留米市)です。本業の釣り具事業(リール・ロッド)でカーボン素材の研究開発を長年積み重ねてきた背景があり、その知見を応用して1996年にゴルフブランド「ONOFF」を立ち上げました。社名は2009年に「ダイワ精工」から「グローブライド」へと変更されています。
ゴルフ事業はONOFF(オノフ)ブランドで一貫展開され、シニア・女性層を主要ターゲットとするAKA(赤色のサブブランド)と、アスリート層向けのKURO(黒色のサブブランド)の2系統が中核です。釣り具のロッドで培ったカーボンシャフト・カーボンクラウンの設計ノウハウを直接転用し、ヘッドの軽量化と振りやすさを両立させる設計思想を持ちます。価格帯はミドル〜ミドルアッパー帯で、本間T//WORLDやヨネックスEZONEと近い帯のラインナップを揃えています。
現行ラインナップはONOFF AKA(赤、シニア・女性向けのやさしさ重視)とONOFF KURO(黒、アスリート向けの操作性重視)の2系統が中心で、ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアン・ウェッジまでフルカテゴリーをカバーします。AKA系はヘッドスピード35〜40m/s帯、KURO系は40m/s以上のアスリート寄りという明確なターゲット分担です。
アイアンはAKA/KUROそれぞれにラインアップがあり、別系統のFORGEDアイアン(軟鉄鍛造)も用意されています。シャフトはグループ会社のカーボン技術を活かした自社設計が中心で、ヘッドとシャフトの組み合わせの最適化までを社内で完結させる体制。釣り具ロッドのカーボン成型ノウハウがクラブシャフトに転用されている点が技術的な独自性です。
価格帯はドライバー単品で6〜10万円、アイアン6本セットで12〜18万円が中心。契約プロは矢野東、宮里聖志などの国内ツアー寄りの男子選手が在籍し、PGAツアーでの存在感は限定的です。国内市場では「釣り具大手DAIWAグループのゴルフブランド」として独自のポジションを維持しています。
ゴルフスケールに登録された全83本のクラブから、オノフのスペック分布図を市場全体と比較しています。
オノフは全体的に市場よりやや低価格寄り
市場中央値を 0 とした オノフの価格差(直近3年・メーカー希望小売価格 / 純正シャフト構成ベース。価格未登録モデルは集計から除外)
オノフは市場標準的なロフト設定
値が小さいほどストロングロフト=飛び系の傾向
オノフは市場よりやや軽量寄り
軽いほど振りやすく、重いほど球が安定する
両者ともスポーツ用品メーカーの本業由来のカーボン技術を応用するブランドですが、由来が異なります。ヨネックスはバドミントン・テニスのラケット技術由来、ONOFF(グローブライド)は釣り具のロッド技術由来。ヨネックスのほうが軽量化と女性層への訴求が強く、ONOFFはAKA/KUROの2系統でシニアからアスリートまで幅広くカバーする構成と、ターゲット幅と訴求軸の違いが特徴です。
本間ゴルフT//WORLD(ドライバー単品7〜10万円)とONOFF(同6〜10万円)が価格帯で重なります。装飾性で勝負する本間に対し、ONOFFはカーボン素材の軽量性と本業由来の素材技術で勝負するキャラクター。「装飾の本間」「素材技術のONOFF」という棲み分けです。本間BERES(プレミアム超高単価)はもう一段上の価格帯なので、直接の競合はあくまでT//WORLDです。
ヤマハは2024年6月にゴルフクラブ事業からの撤退を発表しているため、現時点で「楽器・スポーツ・釣り具メーカー発のゴルフブランド」のカテゴリーで新品を選べるのはヨネックス(バドミントン由来)とONOFF(釣り具由来)が中心。両者ともヤマハの後を継ぐ立ち位置で、本業由来の素材技術を売りにしています。