マクラーレン ゴルフは、F1に参戦するマクラーレン・レーシングと、スーパーカーをつくるマクラーレン・オートモーティブを擁するマクラーレンが、2026年3月2日に発表した新事業です。両社に共通する高性能への考え方を土台に、モータースポーツと自動車設計で培った技術をゴルフ用具に持ち込むことを掲げています。運営会社はアメリカ・アリゾナ州スコッツデールのMcLaren Golf LLCで、CEOはニール・ハウイーです。
正式なデビューは2026年4月29日で、F1マイアミGPとPGAツアーのマイアミでの大会に合わせて行われ、最初の製品としてSeries 1とSeries 3の2モデルのアイアンを発表しました。ゴルフ関連の事業とブランドを持つ持株会社8AM Golfがパートナーとして支えています。ジャスティン・ローズは2年近く前から試作品のテストや開発に関わり、ミシェル・ウィ・ウェスト、イアン・ポールターとともにアンバサダー兼出資者として参加しています。
アイアンは2モデルです。Series 1はマッスルバックのようなすっきりした見た目のマッスルキャビティで、上級者に向けて打感と操作性を保ちながら寛容性を加えています。Series 3は飛距離と寛容性を重視したアイアンで、背面にカーボンファイバー製のパーツ(ボンネット)を組み込み、インパクトの振動を抑えて打音と打感を整えています。
両モデルとも鍛造ではなく金属射出成形(MIM)でヘッドをつくり、独自配合の金属で複雑な内部形状を作り込んでいます。マクラーレンのスーパーカーにも使われるハニカム構造「McLaren Structural Mesh」で重量を削り、その分を重心位置の調整と慣性モーメントの向上に回しています。Series 1は内部のタングステンウェイトで番手ごとに重心を合わせる「Progressive Calibration System」、Series 3はヒール側を削ったソールを採用しています。
1本単位の注文で右用・左用があり、Series 1は3番〜PW、Series 3は3番〜GWを選べます。米国の公式価格は標準仕様で1本$375(英国では£360)です。シャフトやグリップ、ロフト・ライ角(±2°)を選んで組み立てる受注生産で、日本からも公式オンラインストアで円建てで注文できます。
マクラーレン ゴルフは市場中央値より2.0°ロフトが立つ。操作性・スピン重視
ミズノや三浦技研のように、軟鉄鍛造で打感を磨いてきたメーカーのアイアンは日本でも根強く支持されています。マクラーレン ゴルフはヘッドの製法に金属射出成形を選び、鍛造では作り込みにくい内部の重量配分や構造で、打感と寛容性の両立を狙っています。公式も、鍛造では届かない寛容性と鋳造で失われがちな打感・操作性の両立をうたっています。
大手メーカーのアイアンはゴルフショップの店頭で試打して買うのが一般的ですが、マクラーレン ゴルフは厳選したカスタムフィッティングの取扱店と公式オンラインストアで販売し、1本ずつ仕様を選んで組み立てる受注生産です。標準的な納期はSeries 1が3〜4週間、Series 3が2〜3週間です。
7番のロフトはSeries 1が34°、Series 3が31°で、Series 3のほうがロフトを立てて飛距離を出す設計です。オフセットもSeries 3のほうが大きく、球のつかまりやすさと寛容性を求めるならSeries 3、構えたときの小ぶりな形と操作性を求めるならSeries 1が向いています。