スリクソンは、住友ゴム工業株式会社(1909年設立、兵庫県神戸市本社)のスポーツ事業部から発足したブランドです。住友ゴムは戦前にイギリス・ダンロップの日本法人として始まりタイヤ・ゴム製品で成長した企業で、ゴルフ事業はその一部門。Srixon ブランドは1990年代に当初ボール用ブランドとして立ち上がり、後にクラブにも展開されました。
2007年には、住友ゴム傘下の SRI Sports(当時)がクリーブランドゴルフをアパレル大手 Quiksilver から買収。これによりウェッジ専業のクリーブランド、シニア・低ヘッドスピード層向けプレミアムのゼクシオ(XXIO)、アスリート向けのスリクソンという 3 ブランド体制が確立しました。スリクソンは住友ゴム傘下の一ブランドではあるものの、米カリフォルニア(クリーブランド/スリクソンゴルフアメリカ)に R&D とツアーオペレーションを置き、世界の PGA ツアーに対応する独立した開発体制を持つ点が特徴です。
アイアンは Z フォージド II(軟鉄鍛造のスリクソンツアー系アイアンの世代名、マッスルバック型)、ZX7 Mk II(ハーフキャビティ)、ZX5 Mk II(フルキャビティ)、ZX4 Mk II(中空・寛容性重視)と難易度の階層が明快です。軟鉄鍛造の打感は日本の鍛造アイアン勢(ミズノ、フォーティーン、エポン)と同列で評価されることが多く、価格帯はミズノよりやや手頃な設定です。
ドライバーは ZX シリーズが現行で、リバウンドフレーム(ヘッド全体を硬軟交互の4層構造でしならせる設計)と I-ビーム構造(ヘッド内部に I 型梁を入れて剛性を保つ構造)でボール初速とミスヒット時の安定性を両立。アイアン・ドライバーともに、メインフレームフェース(コンピューター解析でフェース裏に複雑な肉抜きを施し反発エリアを広げる技術)による打点ごとの最適化が世代を重ねて磨き込まれています。
契約プロは松山英樹がフラッグシップで、シェーン・ローリー、J.J. スポーン、セップ・ストラカ、ライアン・フォックスら PGA ツアー選手と、朴仁妃(インビー・パク)、畑岡奈紗ら LPGA 選手が在籍。「日本発のプレーヤーズブランド」として、操作性と打感を重視する中〜上級者層から強く支持されています。
ゴルフスケールに登録された全59本のクラブから、スリクソンのスペック分布図を市場全体と比較しています。
スリクソンは全体的に市場よりやや低価格寄り
市場中央値を 0 とした スリクソンの価格差(直近3年・メーカー希望小売価格 / 純正シャフト構成ベース。価格未登録モデルは集計から除外)
スリクソンは市場中央値より2.0°ロフトが立つ。操作性・スピン重視
値が小さいほどストロングロフト=飛び系の傾向
スリクソンは市場よりやや重量寄り
軽いほど振りやすく、重いほど球が安定する
スリクソンのシャフトを発売年順に並べた年表。歴代モデルから廃番モデルまで横断比較できます。
スリクソンのゴルフボール11モデルを展開。構造・スピン・打感・価格まで比較できます。
同じ住友ゴム傘下ですが、ゼクシオはヘッドスピード 35m/s 以下の中高年・女性ゴルファー向けの軽量・高初速設計、スリクソンはヘッドスピード 40m/s 以上のアスリート層向けの操作性重視設計と、ターゲットが明確に分かれています。バッグを揃えるなら、シニア層はゼクシオ、競技志向層はスリクソンが基本線です。
クリーブランドは 2007 年に住友ゴム傘下に入って以降、ウェッジ専業ブランドとして独立した運営を続けています。RTX シリーズや CBX シリーズはクリーブランド単独で開発される一方、スリクソンのドライバー・アイアンと組み合わせてバッグを構成するゴルファーが多く、実質的にクリーブランドが「ウェッジ部門」、スリクソンが「ドライバー〜アイアン部門」という棲み分けになっています。
軟鉄鍛造アイアンの世界では、タイトリスト(T100/T150)が「米国ツアー直系の伝統形状」、ミズノ(Pro 245/241)が「Grain Flow Forging の打感」、スリクソン(Z フォージド II/ZX7 Mk II)が「日本鍛造の打感とツアー実績の両立」と棲み分けられます。価格はスリクソンとミズノが概ね同等、タイトリストはやや高めという構図です。