「ゴルフ用品の市場規模」には2つの数字があります。2024年でいえば2,933億円と3,760億円。メーカーが出荷した段階で数えるか、ゴルファーが支払った段階で数えるかの違いで、どちらも誤りではありません。 このページでは国内のゴルフ用品市場を、年次推移・品目別の中身・流通チャネル・メーカーの規模という4つの角度から整理します。数字はすべて一次ソースに紐づけ、公開値が存在しない部分は「存在しない」と書きます。 年ごとの数値は表にまとめてあり、統計が公表されるたびに更新しています。
2024年の国内ゴルフ用品市場は2,933億3,000万円でした(メーカー売上高ベース、矢野経済研究所)。前年比95.0%で、2年ぶりに3,000億円台を割り込んでいます。
まず押さえるべき事実は3つです。
2つの数字の差は827億円、比率にして1.28倍です。矢野経済研究所はメーカーが出荷した段階、レジャー白書はゴルファーが支払った段階を数えています。差の中身は最後の「数字の定義」で扱います。
もう1つ、この市場を読むうえで欠かせない前提があります。中古クラブはこの金額に入っていません。矢野経済研究所の調査は中古品を基本的に対象外としています。量販店の店頭では中古の伸びが続いていますが、その分は用品市場の数字には現れません。
この市場を毎年定点観測しているのが、矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査」です。用品メーカー・卸売業者・小売企業・ゴルフ場・練習場・スクール・関連団体への直接面談で積み上げた、メーカー売上高ベースの金額です。2025年の調査は同年5月から8月にかけて実施されました。
推移は4つの局面に分けられます。
| 局面 | 年 | 動き |
|---|---|---|
| 微増期 | 2017〜2019年 | 毎年1〜2%の増加で2,600億円台へ |
| 急落 | 2020年 | 前年比87.2%。1年で12.8%減 |
| 急回復 | 2021〜2022年 | 2年で33.6%増。2022年にピークの3,092億円 |
| 頭打ち | 2023〜2024年 | 2023年はほぼ横ばい、2024年は前年比95.0% |
ここからは解釈です。回復期の伸びは、ゴルフを始めた人が増えたことだけでなく、単価の引き上げが効いていたとみられます。矢野経済研究所は2024年の調査で、業界の基本方針が「数量を増やす」から「数量は減っても価格引き上げで金額を維持する」へ移ったと報告しています。2024年の反落は、その値上げが数量減を埋め切れなくなった局面と読むのが自然です。
2025年については予測値しか出ていません。矢野経済研究所は2025年10月時点で3,093億5,000万円(前年比105.5%)と予測しましたが、実績が確定するのは2026年秋の発表です。予測と実績はずれます(2020年は当初予測2,315億8,000万円に対し、実績は2,314億2,000万円でした)。下の全年テーブルには、後年の発表で実績として示された値だけを収録しています。
なお2016年以前は、無償公開のプレスリリースが現存せず実績値を確認できないため未収録です。空欄は「ゼロ」ではなく「確認できていない」という意味です。
| 年 | 日本のゴルフ用品市場規模 | 出典 |
|---|---|---|
| 2017 | 2,587.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2018年)」2018年9月6日(DreamNews 配信) |
| 2018 | 2,626.4 | 矢野経済研究所プレスリリース「国内ゴルフ用品市場調査結果を発表」2019年9月20日(日本経済新聞 電子版 プレスリリース面に全文掲載、原典: 矢野経済研究所 2019年調査) |
| 2019 | 2,653.3 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2020 | 2,314.2 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2021 | 2,760.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2022 | 3,092.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2023 | 3,087.2 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2024 | 2,933.3 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2025年)」2025年10月10日 |
定義: 矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査」(毎年秋公表のプレスリリース)による国内ゴルフ用品市場規模。メーカー売上高(=メーカー出荷金額)ベースで、各メーカーの総売上高(直営店売上分+卸売)から返品およびマークダウン伝票発行分を差し引いた純売上、海外向け売上分は除く。小売金額ベースの市場規模とは混在させない。公表時点の予測値・見込値は採用せず、後年のプレスリリースで実績として示された値のみを採る。
注: 算出基準の呼称が2019年発表までは「メーカー出荷金額ベース」、2020年発表以降は「メーカー売上高ベース」となっているが、同一調査の同一系列である。
注: 2020年の値は2020年発表時の予測値(2,315億8,000万円)ではなく、2024年発表のプレスリリースが実績として示した2,314億2,000万円を採用した。
注: 2019年の値は2020年発表・2024年発表の両プレスリリースで2,653億3,000万円と一致している。
注: 2025年は2025年10月発表時点で予測値(3,093億5,000万円、前年比105.5%)のみが公開されており、実績値が未確定のため未収録。
注: 2016年以前は公開プレスリリースで実績値を確認できず未収録(矢野経済研究所サイトに当該年の旧プレスリリースが現存しない)。
注: 2017年の値を伝える2018年発表プレスリリースの本文には算出基準の明記がないが、同一名称の年次調査シリーズであるため同一基準として扱った。
注: 矢野経済研究所『ゴルフ産業白書』本体(有料)は参照していない。数値はすべて無償公開のプレスリリース本文から取得。
「クラブが何割、ボールが何割」という構成比は、無償で公開されている一次ソースには存在しません。矢野経済研究所の年次プレスリリースが載せているのは市場全体の金額だけで、品目別の数値は有料の『ゴルフ産業白書』とショートレポートにのみ収録されています。ネット上で見かける品目別構成比の多くは出所をたどれないため、このページでは採用しません。
公開されているのは、まず何が「ゴルフ用品」に数えられているかです。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| ゴルフクラブ | ウッド、ハイブリッド、アイアン、パター |
| ゴルフボール | ラウンドボール、レンジボール |
| 履物・装身具 | シューズ、グローブ |
| バッグ類 | キャディバッグ、その他バッグ・カバー類 |
| ウエア | ゴルフウエア |
| その他 | 練習器具、距離計測器などその他用品 |
品目別の前年比が公表されたのは、確認できた範囲では2017年実績が最後です。このときはゴルフクラブが前年比2.6%増、ゴルフウエアが同1.4%増と発表されました。矢野経済研究所はこの2つを「構成比の高いカテゴリー」として挙げており、金額の大きさではクラブとウエアが2大品目であることは公開情報からも読み取れます。
参考として、品目別の金額を開示している海外メーカーの2025年通期実績を並べます。日本市場の構成比ではなく、その企業の売上構成である点に注意してください(金額は原典どおり米ドル表記で、為替換算はしていません)。
| 企業 | ゴルフクラブ | ゴルフボール | その他 |
|---|---|---|---|
| Acushnet(タイトリスト、フットジョイ) | 775.2百万ドル | 821.0百万ドル | ギア244.9百万ドル/フットジョイ569.9百万ドル |
| Callaway(キャロウェイ) | 1,052.9百万ドル | 322.2百万ドル | — |
Acushnetはボールがクラブを上回り、Callawayはクラブがボールの3倍以上です。同じ「ゴルフ用品」でも企業によって構成はまったく違うため、1社の比率を市場全体に当てはめることはできません。
小売の店頭に降りると、また別の姿になります。中古専門チェーンのゴルフ・ドゥの直営全店では、2026年3月期第1四半期の売上構成が中古クラブ69.5%・新品クラブ11.2%・用品8.5%・リペア9.4%でした。業態を選べば中古が7割を占めるということです。
用品がゴルファーに届く経路は大きく4つあり、それぞれ統計への写り方が違います。
1. ゴルフ量販店。アルペン(ゴルフ5)の2026年6月期上期は、ゴルフ関連の売上高が464億4,800万円(前年同期比102.4%)で、連結売上高に占める構成比は33.9%でした。ゴルフ5の店舗数は2025年12月末で197店舗です。同社は市況について「全体としては力強さを欠く状況が続くも、中古クラブの成長継続に加え、新品クラブでも人気モデルの発売が支えとなり前年を上回る推移」と説明しています。
2. EC。ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は自社サイトで、取扱商品約17万点・国内外約390を超えるメーカーを扱い、国内EC市場(全体の13.4%)で1位、国内ゴルフ用品市場全体では3位(2023年度)と説明しています。この13.4%は同社の記載であり、原典となる調査名は明示されていません。参考として、経済産業省の調査では2024年の物販系分野のEC化率は9.8%(BtoC-EC市場規模は26.1兆円)ですが、ゴルフ用品単独の公表値はありません。
3. 中古。中古は用品市場の統計に入らないため、売れても市場規模の数字は動きません。中古専門チェーンのゴルフ・ドゥは直営店とフランチャイズで店舗網を持ち、2026年3月期第1四半期のEC取扱高は前年同期比123.9%、オンラインショップ会員は46.5万人でした。国全体の規模としては、環境省がまとめたリユース市場の調査で「スポーツ・レジャー用品」が1,273億円(2022年、リユース市場全体2兆8,976億円の4.4%)とされていますが、ゴルフ単独の内訳は公表されていません。
4. 工房・カスタム。矢野経済研究所は、市場が「いわゆる完成品モデル」からカスタム仕様へ移りつつあると報告しています。同じ本数が売れても単価が上がる方向の変化です。
資本の面でも動きがありました。GDOは2025年9月29日をもって東京証券取引所プライム市場を上場廃止になっています。ゴルフ用品の主要な流通事業者のうち、四半期ごとに業績を開示する上場企業は減る方向にあり、流通側の実態は年々見えにくくなっています。
ブランド別シェアを示す公開値は、無償の一次ソースには存在しません。ドライバーの出荷本数シェアのような数字は、各社の非公開データか有料調査に閉じています。ここでは各社が自ら開示している数字だけを並べます。
| 企業 | 主なゴルフブランド | 直近の開示 | 決算期 |
|---|---|---|---|
| 住友ゴム工業 | ゼクシオ、スリクソン、クリーブランド | スポーツ事業の売上収益1,256億円・事業利益68億円 | 2025年12月期 |
| ミズノ | ミズノプロ、JPX | ゴルフの売上364億円(前年比112.7%) | 2026年3月期 |
| ブリヂストンスポーツ | ツアーB | 資本金30億円・1972年設立(売上高は非開示) | — |
| Acushnet | タイトリスト、フットジョイ | 全社売上2,558.7百万ドル、うち日本131.1百万ドル | 2025年12月期 |
| Callaway | キャロウェイ、オデッセイ | ゴルフ用品部門の売上1,375.1百万ドル | 2025年12月期 |
この表を足し上げても日本の市場規模にはなりません。決算期も対象地域もセグメントの定義もバラバラだからです。住友ゴム工業のスポーツ事業にはテニス用品やスクール事業が含まれ、ミズノのゴルフ364億円にも海外分が含まれます。
開示値から事実として言えるのは次の3点です。
どのブランドがどんなクラブを出しているかは、golfscaleのブランド一覧とクラブ検索で確認できます。市場規模の数字は年に1回しか動きませんが、製品は毎月入れ替わります。
ゴルフ用品市場には、性格の違う2つの数字が並立しています。
| 項目 | 矢野経済研究所 | 『レジャー白書』(日本生産性本部) |
|---|---|---|
| 2024年の値 | 2,933億3,000万円 | 3,760億円 |
| 数えている段階 | メーカーの売上高 | 消費者の支出額 |
| 作り方 | ゴルフ関連企業への直接面談 | 参加人口と支出額からの推計 |
| 期間 | 暦年 | 暦年 |
矢野経済研究所の算出基準は、各メーカーの総売上高(直営店売上分+卸売)から返品およびマークダウン伝票発行分を差し引いた純売上です。次のものは含みません。
呼称は2019年発表までが「メーカー出荷金額ベース」、2020年発表以降が「メーカー売上高ベース」ですが、同一調査の同一系列です。
予測値と実績値は必ず分けて扱ってください。矢野経済研究所は毎年秋に「前年実績+当年予測」を公表します。当年の数字は予測であり、実績は翌年以降のプレスリリースで確定します。
『レジャー白書』側の3,760億円との差827億円(1.28倍)については、流通段階のマージンや、メーカー出荷ベースでは対象外となる中古品・OEM供給分などが上乗せされたものと考えられます。ただしこれは両調査が公表している定義から導いた解釈であり、どちらかの調査が差分の内訳を示しているわけではありません。
このページの数字の使い方。年次データは1年ごとに出典を紐づけて公開しています。出典(原典の調査機関名と当ページ)を明記していただければ、図表・数値の引用は自由です。統計の公表にあわせて更新しており、更新日はページ下部に表示しています。
本ページの図表・数表は、出典を明記のうえ転載・引用いただけます(例: 「ゴルフスケール(golfscale.jp)調べ・原典: 各出典欄参照」)。数値の原典は各表の出典欄のとおりです。データの更新・訂正が入る場合があるため、引用時は本ページの URL の併記をおすすめします。
2024年で2,933億3,000万円です(メーカー売上高ベース、矢野経済研究所)。ゴルファーが支払った段階で数える『レジャー白書2025』にもとづく集計では3,760億円になります。段階が違うだけで、どちらも誤りではありません。業界の生産動向を見るなら前者、ゴルファーの支出を見るなら後者を使ってください。
このページが収録している2017年以降では2022年の3,092億円がピークです。2024年はそこから5.1%小さい水準ですが、コロナ禍前の2019年と比べれば110.6%で、高い水準にとどまっています。2016年以前は無償公開のプレスリリースが現存せず、実績値を確認できていません。
無償公開の一次ソースにはありません。矢野経済研究所の年次プレスリリースは市場全体の金額のみで、品目別の数値は有料の『ゴルフ産業白書』とショートレポートに収録されています。品目別の前年比が公表されたのは、確認できた範囲では2017年実績(ゴルフクラブ前年比2.6%増、ゴルフウエア同1.4%増)が最後です。
含まれません。矢野経済研究所の調査は中古品を基本的に対象外としています。したがって中古が売れても、この市場規模の数字は動きません。国全体の中古の規模は、環境省がまとめたリユース市場の調査で「スポーツ・レジャー用品」1,273億円(2022年)という括りまでしか公表されておらず、ゴルフ単独の内訳はありません。
ブランド別シェアの公開値はありません。各社が開示しているのは自社の売上だけで、決算期も対象地域もセグメントの定義も揃っていないため、並べてシェアを計算することはできません。このページでは各社の開示値をそのまま並べる形にとどめ、推計は行っていません。
2026年8月時点で公表されているのは予測値のみです。矢野経済研究所は2025年10月に3,093億5,000万円(前年比105.5%)と予測しました。実績が確定するのは2026年秋の発表で、下方修正される可能性もあります(2020年は当初予測2,315億8,000万円に対し、実績は2,314億2,000万円でした)。このページは実績の公表にあわせて更新します。
量販店・EC・中古専門店・工房が主な経路です。アルペン(ゴルフ5)は2026年6月期上期のゴルフ売上が464億4,800万円で連結売上の33.9%、店舗数は197店舗(2025年12月末)。ゴルフダイジェスト・オンラインは自社サイトで国内ゴルフ用品市場3位(2023年度)と説明しています。中古は市場規模の統計に含まれないため、同じ土俵での金額比較はできません。
最終更新: 2026-08-03