ベティナルディは1998年、ロバート・ベティナルディがアメリカ・イリノイ州ティンリーパークで自社ブランドとして創業した削り出しパター専業ブランドです。創業者のロバート・ベティナルディは精密金属加工のバックグラウンドを持ち、1991年にゴルフメーカー大手向けの OEM パター削り出し(ブリッジポート フライス盤での加工)でパター業界に参入。「鋳造・鍛造・溶接が主流だった時代に、金属ブロックから1個ずつ削り出す one-piece technology」のアプローチを確立した実績を背景に、1998年に自社ブランドとして Bettinardi Golf を立ち上げました。創業当初から CNC 削り出しによるハニカムフェース(六角形のミーリングパターン)が代名詞となり、米国 CNC 削り出しパターの代表格として地位を築いています。
本拠地のイリノイ州ティンリーパーク/マンチュア地区にある自社工場で、現在もすべてのパターヘッドを CNC 削り出しで製造しています。「100% Made in USA」「one block at a time(1個ずつブロックから削り出す)」をブランドの基本姿勢として掲げ、量産プロダクトとは異なる工房感を売りにしています。代表シリーズは BB(Blade Bettinardi)系のブレード型、Studio Stock 系のミドル価格帯ライン、Inovai(マレット型)の3本柱で、各シリーズで世代展開を重ねています。
ラインナップは BB シリーズ(BB1、BB1F、BB8 などのブレード型、削り出しの代表作)、Studio Stock シリーズ(中級プレミアム帯のミドルラインナップ)、Inovai 系のマレット型と展開され、各モデルが CNC 削り出しによるハニカムフェース(六角形パターンのフライス目)を採用しています。ハニカムフェースは打感に微細な変化を与えながら順回転を促す設計で、ベティナルディの音響的特徴の核となっています。
価格帯は BB 系で実売10〜20万円、Studio Stock 系で15〜25万円、Inovai 系のマレットで15〜20万円が中心です。スコッティ・キャメロンと並ぶ「米国 CNC 削り出しパターの双璧」というポジションで、削り出し精度・打感・カラーリングのバリエーションすべてで工房感を売りにしています。
契約プロは PGA ツアーのマット・クーチャー(長年のフラッグシップ選手)、マット・フィッツパトリック(2022年全米オープン覇者、2026年シーズンで複数勝)、アレックス・フィッツパトリック、フレッド・カプルス、LPGA ではジョージア・ホールなどが Tour Staff として在籍。スコッティ・キャメロンほどの圧倒的なツアー使用率はありませんが、削り出しパターの工房感を求めるアマチュア層・コレクター層に強く支持されているブランドです。
スコッティ・キャメロンとベティナルディは、米国 CNC 削り出しパターの双璧として並び称されるブランドです。スコッティ・キャメロンが Acushnet(タイトリスト親会社)傘下でツアー使用率トップのフラッグシップとしての存在感を持つのに対し、ベティナルディは独立系の工房ブランドとして「100% Made in USA」「one block at a time」を掲げるブランドストーリーで差別化します。価格帯はベティナルディの BB 系(実売10〜20万円)がスコッティ・キャメロンの Newport 系(実売7〜15万円)と同等〜やや上の帯。「ツアーの王道」がスコッティ・キャメロン、「工房の個性派」がベティナルディという棲み分けです。
オデッセイがキャロウェイ傘下の量産パターブランド(鋳造ボディ+ホワイトホットインサート、実売3〜5万円)であるのに対し、ベティナルディは削り出しパターの工房系プレミアム(実売10〜25万円)と、価格帯と製造方式が真逆のキャラクターです。打感もオデッセイがウレタンインサートの柔らかいフィール、ベティナルディが削り出しハニカムフェースのソリッドな打感と対照的。アマチュアの定番がオデッセイなら、コレクション性と工房感を求めるならベティナルディです。
クロノス(Kronos Golf)やパイレッティ(Piretti)も少量生産の工房系パターブランドで、ベティナルディとカテゴリーが重なります。これらの中でベティナルディは生産量と流通網が比較的大きく、日本国内の認定店でも入手しやすい点が強み。クロノス・パイレッティはより限定的な流通で、コレクター志向が一段強いブランドという棲み分けです。