全米オープン (US Open) は、マスターズ・全英オープン・全米プロと並ぶ男子4大メジャーの一つです。米国ゴルフ協会 (USGA) が主催し、1895年から続く米国最古のメジャー。狭いフェアウェイ・深いラフ・速いグリーンによる「世界一過酷」とも評されるセットアップで知られ、その名のとおり予選を勝ち上がればアマチュアにも門戸が開かれた、真の「オープン (公開) 選手権」です。
全米オープンは、米国ゴルフ協会 (USGA: United States Golf Association) が主催する男子のナショナルオープン選手権です。マスターズ・全英オープン・全米プロ選手権と並ぶ「4大メジャー」の一つに数えられます (USGA 公式)。
第1回は1895年で、4大メジャーの中では1860年創設の全英オープンに次いで2番目に古く、米国で最も歴史の長いメジャーです。マスターズが毎年オーガスタ・ナショナルで固定開催されるのと対照的に、全米オープンは毎年異なる名門コースを巡って開催されるのが大きな特徴です。
「オープン (Open)」の名のとおり、プロ・アマを問わず一定の条件を満たせば誰でも予選にエントリーでき、勝ち上がれば本戦に出場できます。世界中から1万人前後がエントリーする、文字どおり門戸の開かれた選手権です (USGA 予選情報)。
記念すべき第1回 (1895年) は、米ロードアイランド州のニューポート・カントリークラブで36ホール・ストロークプレーとして行われ、21歳のイングランド人ホレス・ローリンズが優勝しました (USGA 公式)。
通算優勝回数の最多記録は4勝で、ウィリー・アンダーソン、ボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラスの4人が並んでいます (List of U.S. Open champions, Wikipedia)。
| 選手 | 優勝回数 | 主な優勝年 |
|---|---|---|
| ウィリー・アンダーソン | 4 | 1901, 1903, 1904, 1905 |
| ボビー・ジョーンズ | 4 | 1923, 1926, 1929, 1930 |
| ベン・ホーガン | 4 | 1948, 1950, 1951, 1953 |
| ジャック・ニクラス | 4 | 1962, 1967, 1972, 1980 |
| タイガー・ウッズ | 3 | 2000, 2002, 2008 |
タイガー・ウッズは通算3勝。とりわけ2000年のペブルビーチでは2位に15打差をつける圧勝で、メジャー最大優勝マージン記録を打ち立てました。近年は2024年にブライソン・デシャンボー、2025年にはオークモントでJ.J.スポーンが優勝しています (ESPN: U.S. Open winners by year)。
全米オープンは毎年異なる名門コースで開催されます。ペブルビーチ、パインハースト No.2、オークモント、シネコックヒルズ、ウィングドフット、メリオン、トーリーパインズなどが歴代の主要会場です (USGA 公式)。
2025年はペンシルベニア州のオークモント・カントリークラブで開催され、同コースは全米オープン会場として史上最多の10回目のホストとなりました (CBS Sports)。2026年はニューヨーク州のシネコックヒルズ・ゴルフクラブで行われる予定です (USGA: Entries Open for 126th U.S. Open)。
コースセットアップは「世界一過酷」とも評され、狭いフェアウェイ、首までも届くと言われる深いラフ、硬く速いグリーンが特徴です。パーは多くの会場で70に設定され、トータルでイーブンパー前後が優勝スコアになることも珍しくありません。総合的なショット精度と忍耐力が問われる、ゴルファーにとって最もタフな1週間とされています。
全米オープンは毎年6月に開催され、最終ラウンドが6月第3日曜日に行われるのが慣例です。米国では6月第3日曜が「父の日 (Father's Day)」にあたるため、優勝シーンは父の日の風物詩として親しまれています。
競技は木曜から日曜までの4日間・72ホール・ストロークプレーで行われ、2日目 (金曜) 終了後に予選カット (上位60位タイまでが基本) が行われます。
優勝者が同スコアで並んだ場合のプレーオフは、2018年から「2ホールの合計打数 (アグリゲート) +なお決着しなければサドンデス」方式に変更されました。それ以前は、翌月曜日に18ホールの延長戦を行う伝統的な方式でした (USGA 公式)。
全米オープンの最大の魅力は、プロ・アマを問わず予選から本戦を目指せる「オープン」の構造にあります。出場ルートは大きく分けて「予選通過」と「自動出場 (エグゼンプト)」の2つです (USGA 予選情報)。
予選を勝ち上がる場合は、原則として次の2段階を通過します。
| 段階 | 名称 | 形式 | 概要 |
|---|---|---|---|
| ① | ローカル予選 (Local Qualifying) | 18ホール | 全米各地・海外で多数開催。エントリー者の上位ごく一部が次へ進む |
| ② | 地区予選 (Final/Sectional Qualifying) | 36ホール (1日) | 「ゴルフ最長の1日」と呼ばれる難関。ここを突破すると本戦出場 |
エントリーには、プロであるか、またはアマチュアの場合USGAハンディキャップ・インデックスが0.4以下であることが条件です (2024年に、従来の1.4以下から引き上げられました) (Golf Digest: 2026 qualifying)。ローカル予選から地区予選へ進めるのは、エントリー者全体のおよそ5.6%とされる狭き門です。
一方、前年優勝者や直近メジャーの優勝者、世界ランキング (OWGR) 上位60位、FedExCupポイント上位など、25のカテゴリーに該当する選手は予選を免除されて本戦に直接出場できます (USGA Media Center)。
全米オープンの賞金規模は4大メジャーでも最大級です。2025年は総額2,150万ドルで、優勝したJ.J.スポーンが440万ドル (公表値430万ドル)、2位のロバート・マッキンタイアが約232万ドルを獲得しました (CBS Sports, Golf Digest)。
優勝者には「U.S. Open Trophy」が贈られ、あわせてゴールドメダルの「ジャック・ニクラス・メダル」が授与されます。さらに、向こう10年間の全米オープン出場資格と、5年間の4大メジャー出場資格という大きな特典が付与されます (Sportico)。
直近10年の優勝者は以下のとおりです (ESPN)。
| 年 | 優勝者 | 会場 |
|---|---|---|
| 2025 | J.J.スポーン | オークモント |
| 2024 | ブライソン・デシャンボー | パインハースト No.2 |
| 2023 | ウィンダム・クラーク | ロサンゼルスCC |
| 2022 | マシュー・フィッツパトリック | ザ・カントリークラブ |
| 2021 | ジョン・ラーム | トーリーパインズ |
| 2020 | ブライソン・デシャンボー | ウィングドフット |
| 2019 | ゲーリー・ウッドランド | ペブルビーチ |
| 2018 | ブルックス・ケプカ | シネコックヒルズ |
| 2017 | ブルックス・ケプカ | エリンヒルズ |
| 2016 | ダスティン・ジョンソン | オークモント |
日本人男子の全米オープン最高成績は、1980年のバルタスロールで青木功が記録した2位です。最終日まで帝王ジャック・ニクラスと同組で死闘を演じ、2打差に泣いたこの試合は「バルタスロールの死闘」として語り継がれています。これは2021年に松山英樹がマスターズを制するまで、41年間にわたり日本人男子のメジャー最高成績でした (ゴルフネットワーク)。
日本では、CS放送の「ゴルフネットワーク」が全米オープンの生中継・配信を行っています (ゴルフネットワーク 2026 全米オープン)。
大会の国際映像は米NBCが制作しており、海外で広く配信されています。また、USGA公式サイト (usopen.com) や公式アプリでもリーダーボードやハイライトを確認できます。放映権は年や大会によって変わる場合があるため、最新の放送・配信予定は各サービスの公式情報で確認することをおすすめします。
全米オープンを主催するUSGAは、男子の全米オープンのほかにも数多くのナショナル選手権を運営しています。代表的なものに、女子のナショナルオープンである全米女子オープン、アマチュア最高峰の全米アマチュア選手権、若手の登竜門である全米ジュニアアマチュア選手権などがあります。
全米オープンと名前が似ている「全米プロ選手権 (PGA Championship)」は、運営団体 (全米プロゴルフ協会) も大会の性格も異なる別のメジャーです。混同しないよう注意しましょう。
毎年異なる名門コースで開催され、会場はUSGAが選定します。ペブルビーチ、パインハースト No.2、オークモント、シネコックヒルズなどが代表的な会場です。2025年はオークモント、2026年はシネコックヒルズで開催されます。
出られます。ローカル予選 (18ホール) と地区予選 (36ホール) の2段階を勝ち上がれば、アマチュアでも本戦に出場できます。これが「オープン」と呼ばれる理由です。
アマチュアがエントリーするには、USGAハンディキャップ・インデックスが0.4以下であることが条件です (2024年に従来の1.4以下から引き上げられました)。プロには上限はありません。
2025年の総額は2,150万ドルで、優勝賞金は約430万ドルでした。賞金規模は4大メジャーでも最大級です。
どちらもUSGAが主催しますが、男子と女子で別々に開催される独立した大会です。
2018年から、2ホールの合計打数で競い、なお決着しなければサドンデスとなる方式です。それ以前は翌月曜の18ホール延長戦でした。
1980年バルタスロールでの青木功の2位が、日本人男子の全米オープン最高成績です。ジャック・ニクラスとの「バルタスロールの死闘」として知られています。
違います。全米オープンはUSGA主催、全米プロ選手権 (PGA Championship) は全米プロゴルフ協会の主催で、運営団体も大会の性格も異なる別々のメジャーです。
最終更新: 2026-06-01