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Tier A AIG 全英女子オープン (AIG Women's Open) 完全ガイド

AIG 全英女子オープン (AIG Women's Open) は、女子ゴルフの5大メジャーの最終戦(シーズン最後のメジャー)です。主催は男子の全英オープンと同じ「ゴルフの総本山」R&A。毎年8月、英国のリンクスコースを舞台に、海風と砂丘を相手にした「我慢のゴルフ」が繰り広げられます。2019年には渋野日向子が初出場初優勝で「スマイリングシンデレラ」の旋風を巻き起こし、樋口久子以来42年ぶりの日本人海外メジャー制覇を達成。2025年には山下美夢有も頂点に立ち、いま最も日本人と縁が深い海外メジャーになっています。

AIG 全英女子オープンとは

AIG 全英女子オープンは、女子ゴルフの5大メジャー(シェブロン選手権/全米女子オープン/KPMG 全米女子プロ/アムンディ・エビアン選手権/AIG 全英女子オープン)のひとつで、毎年8月に開催されるシーズン最後のメジャーです。正式名称は "AIG Women's Open"。「AIG」は冠スポンサーである保険大手 AIG の名前で、2019年から大会名に付きました。

最大の特徴は、主催が男子の全英オープン(The Open Championship)とまったく同じ R&A (The Royal and Ancient Golf Club of St Andrews) であることです。R&A はゴルフのルールを統括してきた歴史的団体で、男子全英と同じ思想のもと、英国・北アイルランドのリンクスコースを舞台に女子メジャーを運営しています。米国の団体(USGA/LPGA)が主催する他の女子メジャーとは、運営も会場の性格も大きく異なります。

項目 内容
正式名称 AIG Women's Open
日本での通称 全英女子オープン
主催 R&A
創設 1976年(メジャー昇格は2001年)
開催時期 毎年8月(女子5大メジャーの最終戦)
会場 英国・北アイルランドのリンクスコース(持ち回り)
共催ツアー LPGA ツアー(米国女子)+ レディース・ヨーロピアンツアー (LET)

歴史

大会の起源は1976年に始まった「Women's British Open(女子ブリティッシュ・オープン)」です。当初はメジャーではない一トーナメントでしたが、女子ゴルフ界の発展とともに地位を高めていきました。日本との縁も古く、1984年には岡本綾子が優勝しています(当時はまだメジャー昇格前)。

大きな転機は2001年。この年からアメリカの LPGA ツアーの公式メジャーとして認定され、ヨーロッパの LET との共催という形で、名実ともに女子の世界最高峰の大会のひとつになりました。さらに2019年に保険大手 AIG が冠スポンサーとなり、大会名が現在の「AIG Women's Open」へと改称されました。

その2019年大会で、日本ゴルフ界に衝撃が走ります。渋野日向子が海外メジャー初出場で初優勝を飾り、1977年の樋口久子(全米女子プロ)以来42年ぶりの日本人海外女子メジャー制覇を達成したのです(JGA/各種報道)。そして2025年には山下美夢有も優勝し、メジャー昇格後の日本人優勝者は渋野に次いで2人目となりました(花王ニュースリリース)。

主な出来事
1976 第1回(Women's British Open として創設)
1984 岡本綾子が優勝(メジャー昇格前)
2001 LPGA + LET 共催の女子メジャーに昇格
2019 AIG が冠スポンサーに/渋野日向子が優勝
2025 山下美夢有が優勝(賞金が大会史上最高額に)

開催コース・リンクス

AIG 全英女子オープンは、男子の全英オープンと同じくリンクスコース(links course)を中心に開催されます。リンクスとは、海と内陸のあいだの砂丘地帯に自然の地形を生かして造られたゴルフコースのこと。木がほとんどなく、海からの強風・深いポットバンカー・固く速いフェアウェイ・季節外れの雨が選手を苦しめます。ボールを高く上げる米国型ではなく、風の下を転がして攻める技術と、風を読む力が問われるのがリンクスゴルフの醍醐味です。

会場は固定ではなく、英国の名門リンクスを毎年持ち回ります。近年は男子の全英オープンと共通する会場でも開催され、女子トップ選手が世界最高峰のリンクスに挑む姿が見られます。

会場
2025 Royal Porthcawl(ウェールズ・初開催)
2024 St Andrews オールドコース(スコットランド)
2023 Walton Heath(イングランド・初開催)
2022 Muirfield(スコットランド・初開催)
2021 Carnoustie(スコットランド)
2020 Royal Troon(スコットランド)
2019 Woburn(イングランド/渋野日向子 優勝)

2024年にはゴルフの聖地・St Andrews のオールドコースで開催されるなど、男子全英に並ぶ格式の会場が用意されています。2026年大会は Royal Lytham & St Annes(2018年ジョージア・ホール優勝の地)での開催が R&A から発表されています(AIG Women's Open 公式)。

開催時期・フォーマット

AIG 全英女子オープンは毎年8月(年によっては7月末〜8月初旬)に開催され、女子5大メジャーの最終戦=シーズン最後のメジャーにあたります。

競技は木曜から日曜までの4日間・72ホールのストロークプレー。2日目(金曜)終了時点で上位+同スコアの選手によるカットが行われ、土・日の決勝ラウンドへ進みます。英国の夏は天候の変化が激しく、強風・横殴りの雨・低い気温が珍しくないため、天候そのものが「もう一人の出場者」と言われるほどです。

72ホール終了時に同スコアで首位が並んだ場合は、男子全英と同じ「4ホールの合計打数で決めるプレーオフ(4-hole aggregate playoff)」で勝者を決めます。1ホールずつ決着するサドンデス方式ではなく、4ホールを戦った合計打数で争うのが特徴です。

出場資格・予選システム

出場ルートは大きく「自動出場(exemption)」と「予選(qualifying)」に分かれます。

1. 自動出場(資格による免除) 各種の資格カテゴリーに該当する選手は、予選免除で本大会に出場できます。代表例は次の通りです。

2. Final Qualifying(最終予選) 上記の資格を持たない選手にも門戸が開かれており、英国内で行われる最終予選を勝ち抜けば本大会に出場できます。プロ・アマを問わず誰にでもチャンスがある点が、「The Open(開かれた大会)」という名にふさわしい仕組みです。アマチュアでも予選を通過すれば、世界のトッププロと同じ舞台に立てます(R&A/AIG Women's Open 公式)。

賞金とトロフィー

AIG 全英女子オープンの賞金総額は年々増額され、近年は1,000万ドル規模に達しています。

賞金規模は4大女子メジャーのなかでもトップクラスで、女子ゴルフの賞金水準を押し上げる存在になっています。優勝者には大会のトロフィーと、女子メジャーチャンピオンの栄誉が贈られます。なお具体的な賞金額・配分は毎年 R&A/大会主催者が発表するため、最新値は各年の公式発表で確認してください。

注目選手・歴代優勝者

近年は世界のトップ選手と、勢いに乗った新鋭が頂点を争う構図です。直近の優勝者は下表の通りです。

優勝者 会場
2025 山下美夢有 日本 Royal Porthcawl
2024 リディア・コ ニュージーランド St Andrews
2023 リリア・ヴ 米国 Walton Heath
2022 アシュリー・ブハイ 南アフリカ Muirfield
2021 アンナ・ノードクビスト スウェーデン Carnoustie
2020 ソフィア・ポポフ ドイツ Royal Troon
2019 渋野日向子 日本 Woburn
2018 ジョージア・ホール 英国 Royal Lytham & St Annes
2017 I.K.キム 韓国 Kingsbarns
2016 アリヤ・ジュタヌガーン タイ Woburn
2015 インビー・パク 韓国 Turnberry

日本人選手の最高成績は優勝で、メジャー昇格後では2019年の渋野日向子2025年の山下美夢有の2人が頂点に立っています。2025年大会では、優勝した山下に2打差で勝みなみが単独2位タイに入るなど、日本勢が上位を席巻しました。世界ランキング上位のネリー・コルダ、米女子で活躍する笹生優花古江彩佳ら、日本にゆかりの選手の挑戦も毎年の見どころです。

日本での視聴方法

日本国内での放送・配信は年によって変わります。2025年大会は CS『ゴルフネットワーク』が生中継し、ネット配信は『U-NEXT』が担当しました。過去には WOWOWNHK BS が中継した年もあります。視聴の際は、その年の最新の放送・配信予定を必ず確認してください。

英国と日本の時差はおよそ8〜9時間(夏時間)で、現地の昼〜夕方のプレーは日本では夜から深夜にかけての時間帯になります。リアルタイムでスコアを追いたい場合は、大会公式サイトや公式アプリのリーダーボードも便利です。

(※具体的な放送局・配信サービスは年ごとに変動します。本記事では確定情報のみを記載しています。)

関連大会

AIG 全英女子オープンを主催する R&A は、男子の全英オープン(The Open Championship)全英シニアオープン(Senior Open)も運営しています。いずれもリンクスを舞台にした伝統大会で、「The Open」の名を共有する一族です。

また本大会は女子5大メジャーの最終戦であり、シーズンを通して争われる他の4メジャー(シェブロン選手権・全米女子オープン・KPMG 全米女子プロ・アムンディ・エビアン選手権)と並ぶ女子ゴルフの最重要大会です。出場の母体となる LPGA ツアーレディース・ヨーロピアンツアー (LET) とあわせて押さえておくと、女子ゴルフの全体像がつかめます。

よくある質問

渋野日向子の優勝(2019年)はどんな試合だった?

イングランドの Woburn で行われた2019年大会で、当時20歳の渋野日向子が海外メジャー初出場初優勝を達成しました。2位と2打差の単独首位で迎えた最終日、3番でダブルボギーを叩いて順位を落としながらも巻き返し、最終18番で約5.5メートルのバーディーパットを沈めて通算18アンダー、リゼット・サラスに1打差で逃げ切りました。終始笑顔を絶やさない姿から『スマイリングシンデレラ』と呼ばれ、社会現象になりました。

AIG 全英女子オープンと男子の全英オープンは同じ大会?

別の大会ですが、主催はどちらも『ゴルフの総本山』R&A で、運営思想は共通です。両大会とも英国のリンクスコースで開催され、同じ名門会場(St Andrews など)を舞台にすることもあります。男子は7月、女子(AIG 全英女子オープン)は8月の開催です。

リンクスコースって何?

海沿いの砂丘地帯に、自然地形を生かして造られたコースのことです。木がほとんどなく、強風・深いポットバンカー・固く速いフェアウェイが特徴。ボールを高く上げるのではなく、風の下を転がして攻める技術と、風を読む力が問われます。

アマチュアでも出場できる?

できます。世界ランキング上位などの資格による自動出場のほか、英国で行われる最終予選(Final Qualifying)を勝ち抜けば、プロ・アマを問わず本大会に出場できます。『The Open(開かれた大会)』の名の通り、誰にでもチャンスが開かれているのが特徴です。

賞金はいくら?

近年は1,000万ドル規模に増額されています。2024年大会(St Andrews)は総額950万ドル・優勝賞金142万5,000ドル、2025年大会(Royal Porthcawl)は総額975万ドル・優勝賞金146万2,500ドル(約2億1,500万円)で、大会史上最高額を更新しました。最新値は各年の公式発表をご確認ください。

日本ではどうやって見られる?

放送・配信は年によって変わります。2025年大会は CS『ゴルフネットワーク』の生中継と『U-NEXT』のネット配信で視聴できました。過去には WOWOW や NHK BS が中継した年もあります。英国との時差は約8〜9時間で、現地昼のプレーは日本では夜〜深夜になります。

日本人の最高成績は?

優勝です。メジャー昇格後では2019年に渋野日向子(樋口久子以来42年ぶりの日本人海外メジャー制覇)、2025年に山下美夢有が優勝しています。メジャー昇格前の1984年には岡本綾子も優勝しており、日本と縁の深い大会です。

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出典・公式リンク

最終更新: 2026-06-01