Tom Watson ・ トム ワトソン
リンクスの巨匠——全英5勝、太陽の決闘の主役
トム・ワトソン ― リンクスを愛し、ニクラスと死闘を演じた「全英の覇者」 物語・名場面・人物像を読む →スタンフォード大学で心理学を修めた知性派は、1971 年のプロ転向後、名手バイロン・ネルソンの薫陶を受けて頭角を現した。1975 年全英オープン(カーヌスティ)でプレーオフを制してメジャー初優勝。1977 年にはターンベリーでジャック・ニクラスと一打を争う「太陽の決闘」を最終 7 番アイアンの絶妙なショットで制し、同年マスターズでもニクラスを破ってゴルフ界の主役に躍り出た。1982 年全米オープン(ペブルビーチ)17 番でのチップインバーディは伝説。風と地面を使うリンクスの名手として全英を 5 勝し、その記録はハリー・バードンに次ぐ。59 歳で臨んだ 2009 年全英では優勝目前まで迫り、世界中を熱狂させた。スポーツマンシップとプレーファストの伝道師としても尊敬を集める、ゴルフの良心とも呼べる存在。
正確なアイアンショットと、ピンチを救う卓越したチッピング・パッティングが武器。とりわけ風が吹き荒れるリンクスでは、低く転がして攻める「グラウンドゲーム」を巧みに操り、全英オープン 5 勝という金字塔を打ち立てた。攻めの姿勢を貫きつつも、ショートゲームでスコアをまとめる総合力の高さが持ち味。SG 等の数値指標が無い時代の選手のため、能力は当時の大会記録と評価で語られる。