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値下がりしないゴルフ会員権の選び方

会員権は「使う権利」であると同時に、いざ手放すときの価値も気になる資産です。相場は上下し、コースによっては大きく値下がりしたり、経営破綻で預託金が大幅カットされることもあります。ここでは値下がりしにくいコースを選ぶ5つの条件、逆に避けたい危険な特徴、そして実際の倒産カット事例を一次情報で整理します。買う前に必ず読んでおきたい「守り」の知識です。

これだけ覚えればOK

  • 値下がりしにくいコースは「立地・種別・ブランド・経営・相続需要」の5条件がそろう傾向があります。
  • 逆に「経営が弱い」「会員が過剰」「アクセスが悪い」「名義書換料の値上げ頼み」は危険信号です。
  • 預託金制は経営破綻・民事再生で預託金が大幅カットされることがあります。実例では十和田国際CCが85%カット、池田CCが96.5%カット。
  • 会員権の相場に、株価の「日経平均」のような単一の公的指数はありません。KGKの基準相場や各社相場表など複数の相場情報が併存します。
  • 資産性は「上がるものを当てる」より、下がりにくいものを避け方から選ぶのが現実的です。

値下がりしにくい5つの条件

資産価値が落ちにくいコースには共通点があります。5つの軸で見ていきましょう。

1. 立地(アクセスと希少性)

都市部からのアクセスが良く、代替の効かない立地は需要が安定します。名門が集まるエリアや、交通至便で予約需要の高いコースは相場が底堅い傾向です。

2. 種別(株主制・資産の裏付け)

株主制の会員権は、会社の資産(土地・施設)が価値の裏付けになりやすく、預託金の返還原資に依存する預託金制よりリスクの性質が異なります。ただし譲渡承認や評価ルールが独特なので確認が必要です。

3. ブランド(名門・伝統・競技実績)

歴史・格式・競技開催実績のある名門コースは、需要が世代を超えて続きやすく、相場が安定します。ブランドは一朝一夕に作れないため、下支えとして強力です。

4. 経営(運営会社の健全性)

どれだけ立地やブランドが良くても、経営が傾けば預託金カットのリスクが現実になります。運営会社の体力・募集や名義書換の停止有無を必ず確認します。

5. 相続需要(評価と実需)

取引相場のある会員権は相続税評価が取引価格の70%(国税庁)で、資産として承継されやすいコースは実需が続きます。世代交代でも会員が入れ替わる循環があるコースは、相場が保たれやすくなります。

条件 値下がりしにくい 値下がりしやすい
立地 都市近郊・希少 遠隔・代替多い
種別 株主制など資産裏付け 経営依存の預託金のみ
ブランド 名門・競技実績 知名度・実績が薄い
経営 健全・情報開示あり 赤字・停止措置あり
相続需要 承継・実需が続く 会員高齢化で細る

買ってはいけない危険な特徴

次のような特徴が重なるコースは、値下がりや預託金カットのリスクが高まります。「安いから」で飛びつく前にチェックしましょう。

  • 経営が弱い: 赤字が続く、売上が縮小している、負債が重い。破綻・民事再生の入り口になりがちです。
  • 名義書換の停止・募集停止: 名義書換を止めている、追加募集を繰り返している。会員価値の希薄化や資金繰り悪化のサインになり得ます。
  • 名義書換料の値上げ頼み: 付加価値を伴わない値上げは、総取得額を押し上げて相場にマイナスに働くことがあります。
  • 会員数が過剰: 会員に対してコースのキャパが不足し、予約が取れないと会員の魅力が下がります。
  • アクセスが悪い・需要が細い: 遠隔で代替が多いと、売りたいときに買い手が付きにくく流動性が低下します。

特に経営の弱さは、後述の預託金カットに直結する最重要の危険信号です。立地やブランドが良く見えても、経営が傾いていれば安全ではありません。

倒産・民事再生で預託金がカットされた実例

「経営リスク」は抽象論ではなく、実際に起きています。預託金制のコースが破綻・民事再生になると、預けたお金(預託金)が大幅にカットされることがあります。

十和田国際カントリークラブ(2016年)

青森県のコースを運営していた青森県観光開発(株)が2016年に民事再生を申請。再生計画では、退会する会員には預託金の85%をカットし残り15%を一括弁済、継続する会員には15%を新たな預託金証書として発行する内容が示されました。総預託金額は約14億5,000万円と報じられています(椿ゴルフ掲載の再生計画情報)。

池田カンツリー倶楽部(2019年申請)

大阪のコースを運営していた池田開発(株)が2019年12月に民事再生を申請(負債総額 約104億9,600万円、債権者約3,000名)。2020年に認可された再生計画では、債権額の96.5%をカットし、残り3.5%を一括弁済、会員は預託金額面のない「プレー会員権」で会員資格を継続する内容となりました。スポンサーはPGM(パシフィックゴルフマネージメント)です。

コース 申請年 カット率 弁済 会員のその後
十和田国際CC 2016年 預託金85%カット 残り15%を弁済 継続者は15%を新預託金証書に
池田CC 2019年申請 債権額96.5%カット 残り3.5%を一括弁済 プレー会員権として継続

これらは「経営の弱いコースを選ぶと預けたお金の大半を失いうる」ことを示す実例です。値下がりしにくさの前に、まず経営破綻で預託金を失わないコースを選ぶことが、資産としての最低条件になります。

相場の見方(単一の公的指数は無い)

会員権の相場を調べるとき、誤解しやすい点があります。

株価の「日経平均」のような単一の公的なゴルフ会員権指数は存在しません。実際には、関東ゴルフ会員権取引業協同組合(KGK)が基準相場(相場表)を毎週金曜に発行しているほか、各取引業者や日本経済新聞の相場報道など、複数の相場情報が併存しています。

そのため相場を見るときは、

  • 複数の情報源で水準を確認する
  • 消費税の扱い(税込表示かどうか)をそろえて比較する
  • 過去の推移(上げ下げの局面)も合わせて見る

といった姿勢が大切です。相場は経済環境やゴルフ人気で上下するため、「今の相場だけ」で判断せず、値下がりしにくい条件(前述の5条件)を満たすかで選ぶのが堅実です。

よくある質問

値上がりする会員権を当てることはできますか?

相場は経済やゴルフ人気で動くため、確実に値上がりを当てるのは困難です。現実的なのは「下がりにくいものを選ぶ」守りの発想で、立地・種別・ブランド・経営・相続需要の5条件がそろうコースは相場が底堅い傾向があります。まずは危険な特徴を避けることから始めましょう。

預託金は本当にカットされることがあるのですか?

あります。預託金制のコースが民事再生になると預託金が大幅カットされることがあり、実例では十和田国際CCが85%カット、池田CCが96.5%カットという再生計画が報じられています。経営の健全なコースを選ぶことが、預託金を守る最重要の対策です。

株主制の会員権のほうが安全ですか?

株主制は会社の資産が価値の裏付けになりやすい点で預託金制と性質が異なりますが、「必ず安全」ではありません。譲渡に承認が必要だったり評価が独特だったりします。制度に関わらず、そのコースの経営状態を確認することが最も重要です。

会員権相場はどこを見れば正確ですか?

単一の公的指数は無いため、関東ゴルフ会員権取引業協同組合(KGK)の基準相場や複数の取引業者の相場表、報道などを見比べるのが確実です。税込表示かどうかをそろえ、過去の推移も含めて判断しましょう。

名義書換料が高いコースは避けるべきですか?

一概に避ける必要はありません。名義書換料の高さは需要の強い名門コースでも見られます。問題は「付加価値を伴わない値上げ」で、これは総取得額を押し上げて相場にマイナスに働くことがあります。値上げの背景(経営状況)を確認しましょう。

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出典

最終更新: 2026-07-11