1 2 3

ゴルフ会員権の種類と会員区分

「会員権の種類」は退屈に見えて、実は一番大事な入り口です。なぜなら、預けたお金が戻るかどうか、経営が傾いたときにいくらカットされるか、プレーできる曜日や競技参加の範囲までが、この種類と会員区分で決まるからです。ここでは制度(預託金・株主・社団法人)と会員区分(正会員・平日・週日)を、初めての人にも分かるよう図解で整理します。

これだけ覚えればOK

  • 会員権の制度は大きく3つ: 預託金制・株主制・社団法人制。日本のコースは預託金制が最も多いです。
  • 「制度」はお金の預け方とリスクを、「会員区分」はプレーできる範囲(曜日・競技)を決めます。この2軸は別物です。
  • 預託金制は退会時に預託金の返還を受けられるのが建前ですが、経営破綻・民事再生になると大幅カットのリスクがあります。
  • 株主制は会社の株主になる形で、価値は会社の資産に裏付けられますが、譲渡や評価のルールが独特です。
  • 会員区分は正会員(全日)>平日会員>週日会員の順にプレーできる範囲が狭くなり、価格・名義書換料も下がります。

3つの制度(預託金・株主・社団法人)

会員権は「会員としての地位をどう法的に持つか」で3種類に分かれます。まずここが土台です。

預託金制

入会時にゴルフ場の経営会社へ一定額の「預託金」を預け、会員になる方式です。日本で最も多い形態です。預託金は据置期間(例: 据置5年や10年など)を過ぎれば退会時に返還を請求できるのが建前で、額面が会員権に付いています。ただし返還原資は経営会社の体力に依存し、破綻・民事再生時にはカットされることがあります(後述の実例)。

株主制(株主会員制)

会員がゴルフ場運営会社の株主になる方式です。名門・伝統コースに多く見られます。会員の地位が株式に裏付けられるため、会社の資産価値が下支えになりますが、譲渡には会社の承認が必要なことが多く、相続税評価も株式として計算されるなど扱いが独特です。

社団法人制

会員が社団法人の社員として組織を構成する方式です。営利を主目的としない運営に近く、会員による自治色が強いコースがあります。持ち分の譲渡・退会のルールは各法人の定款に従います。

制度 会員の法的地位 退会時に戻るお金 主に多いコース
預託金制 経営会社へ預託 据置後に預託金の返還請求(原資は会社次第) 日本の多数派
株主制 運営会社の株主 株式の売却・評価による 名門・伝統系
社団法人制 社団法人の社員 定款による 会員自治色の強いコース

預託金制の仕組みと据置期間

日本で最も一般的な預託金制は、仕組みを理解しておくと後のトラブルを避けられます。

  • 預託金: 入会時に経営会社へ預けるお金。会員権の額面として付いてきます。
  • 据置期間: 「◯年間は返還請求できない」という期間。据置5年・10年などコースにより異なり、期間経過後に退会すれば額面の返還を請求できます。
  • 注意点: 据置期間を過ぎても、経営会社に返還原資が無ければ実際には戻りにくいことがあります。「額面=必ず戻る額」ではありません。

また近年は、額面の無い「プレー権のみ」の会員権(入会金だけで募集し、預託金の返還を伴わない無額面証券)も増えています。太平洋クラブやPGM・アコーディアの一部コースがこの形です。返還を前提にしない代わりに、初期費用を抑えられるのが特徴です。

会員区分(正会員・平日会員・週日会員)

同じコースの会員権でも、「いつプレーできるか」で区分が分かれます。制度(預託金など)とは別の軸なので、混同しないようにしましょう。

  • 正会員(全日会員): 土日祝を含め、原則いつでも会員としてプレー・予約できる区分。競技(月例・クラブ選手権)にも参加でき、価格・名義書換料も最も高くなります。
  • 平日会員: 平日のみ会員料金・会員予約が使える区分。土日祝はビジター扱い、または利用不可のことがあります。価格は正会員より安く、名義書換料も抑えめです。
  • 週日会員: 月〜金のうち祝日を除く「週日」に限定される、平日会員よりさらに範囲の狭い区分。

名義書換料の目安として、正会員を100とすると平日会員は50〜70程度という比率が一般的です(コースにより異なる・2026年時点)。

区分 プレーできる曜日 競技参加 価格・名義書換料の目安
正会員(全日) 土日祝を含む全日 参加可 最も高い(基準=100)
平日会員 平日中心(土日祝は制限) 制限あり 正会員の50〜70程度
週日会員 週日(祝日除く平日) 制限あり さらに安い

自分に合う種類の選び方

種類選びは「使い方」と「リスク許容度」で決めます。

  • 土日にプレーしたい・競技に出たい → 正会員が基本。平日会員だと土日がビジター扱いになり、会員のメリットが薄れます。
  • 平日中心で費用を抑えたい → 平日会員・週日会員が候補。ただし土日の同伴プレーや競技の扱いを事前に必ず確認します。
  • 返還リスクを重視する → 制度と経営状態をセットで見ます。預託金制なら経営の健全性、株主制なら会社の資産、無額面(プレー権のみ)なら「戻らない前提」で価格が妥当かを判断します。

「安いから」だけで平日会員を選ぶと、実際には土日に行きたくてビジター料金を払い続ける、という失敗が起きがちです。まず自分がいつ・どれくらい行くかを決めてから区分を選ぶのが鉄則です。

よくある質問

預託金制と株主制はどちらが安全ですか?

一概には言えません。株主制は会社の資産が価値の裏付けになりやすい一方、譲渡承認や評価のルールが独特です。預託金制は流動性が高く売買しやすい反面、経営破綻時に預託金がカットされるリスクがあります。どちらも「そのコースの経営状態」を確認することが最重要で、制度だけで安全性は決まりません。

平日会員でも土日にプレーできますか?

コースによります。平日会員は土日祝がビジター扱い(割高・会員予約不可)になるのが一般的で、そもそも土日は利用できないコースもあります。土日に行く予定があるなら、契約前に「平日会員の土日の扱い」を必ず確認してください。

無額面(プレー権のみ)の会員権は損ですか?

損得は使い方次第です。預託金の返還が無い代わりに初期費用を抑えられ、太平洋クラブやPGM・アコーディアの一部コースが採用しています。返還を当てにせず「プレーする権利」として価格が妥当かで判断すれば、頻繁に使う人には合理的な選択になり得ます。

会員区分は後から変更できますか?

運営会社によっては、平日会員から正会員への種別変更制度を設けている場合があります。ただし差額や手数料がかかり、全コースにあるわけではありません。将来正会員にしたい可能性があるなら、変更制度の有無と条件を入会前に確認しておくと安心です。

社団法人制の会員権は売買できますか?

社団法人制は各法人の定款で譲渡・退会のルールが定められており、市場での売買がしにくいものもあります。譲渡に理事会等の承認が必要な場合もあるため、流動性(売りやすさ)を重視するなら、事前に譲渡条件を確認することが重要です。

会員権ガイドの他のテーマ

出典

最終更新: 2026-07-11