ゴルフ会員権を手放す方法は、大きく「市場で売却する」と「退会して預託金の返還を求める」の2つです。どちらの場合も、預託金の額面がそのまま戻るとは限らないこと、返還請求には時効があることを知らないと損をしかねません。このページでは、売り方と退会・返還の実務、時効の注意点を、法律事務所の解説をもとに整理します。
会員権を手放すときは、次の2つのどちらかを選ぶことになります。
どちらが得かは「会員権の相場」と「預託金の額」の大小で決まります。相場が預託金より高ければ売却、低ければ返還請求、というのが基本的な考え方です。
市場で売る場合の一般的な流れは次のとおりです。
名義書換料はコースが定めており、一般には買い手が負担します。売り手側には業者の手数料などがかかります。
業者選びでは中立性が大切です。特定の業者を推すのではなく、KGK(関東ゴルフ会員権取引業協同組合/関東経済産業局の認可団体・約150社加盟)や、関西の関西ゴルフ会員権取引業協同組合など、組合に加盟している業者かどうかを確認するとよいでしょう。
預託金会員制の会員権では、入会時に「預託金」を預け、コース施設を優先的に使える権利と、預託金の返還を請求できる権利を持ちます。
なお、ゴルフ場側が会則にもとづいて据置期間を一方的に延長しようとするケースがありますが、最高裁は1999年(平成11年)の判決で、運営会社の都合による一方的な延長決議を無効と判断しています。据置期間延長への同意書を求められた場合、返還を希望するなら安易に署名せず、慎重に対応するのが賢明です。
預託金の返還で最も誤解されやすいのが、「預けた額(額面)がそのまま戻る」という思い込みです。実際には、次のような理由で額面どおり戻らないことがあります。
つまり「預託金◯◯万円」という額面は、必ずしも受け取れる金額ではありません。会員権を選ぶ・手放す判断では、額面ではなく「今の相場」と「経営状態」を見ることが重要です。
預託金の返還請求権には、消滅時効があります。民法の原則では、権利を行使できることを知った時から5年(客観的には権利を行使できる時から10年)で時効にかかります。
「いつか請求すればいい」と先延ばしにせず、据置期間の経過後は早めに手続きを進めることが大切です。交渉が難航する場合は、弁護士など専門家への相談も選択肢です。
会員権を売って利益(譲渡益)が出た場合は、譲渡所得として給与などと合算する総合課税の対象になります。所有期間が5年を超えていれば譲渡益の1/2が課税対象で、譲渡益には50万円の特別控除があります。
一方、売って損失が出ても、2014年(平成26年)4月1日以後の売却からは、その損失を給与など他の所得と相殺(損益通算)できなくなりました。税金の詳しい扱いは、税金・相続のページで整理しています。
会員権業者に売却を依頼し、査定・買い手探し・名義書換を進めてもらうのが一般的です。業者は、KGK(関東ゴルフ会員権取引業協同組合)などの組合に加盟しているかを確認すると安心です。相場はコース・時期で変わります。
据置期間の経過後に退会を申し出れば返還を請求できますが、額面どおり戻るとは限りません。相場が預託金を下回っている場合や、経営が悪化して民事再生になった場合は、減額・カットされることがあります。
あります。民法の消滅時効により、権利を行使できると知った時から5年で時効にかかります。据置期間の経過後は早めに請求することが大切です。訴訟の提起などで時効の進行を止められます。
会則にもとづき運営会社が延長を図る例がありますが、最高裁は1999年の判決で、会社都合による一方的な延長決議を無効と判断しています。延長への同意書を求められた場合は、慎重に対応してください。
譲渡益は総合課税で、所有5年超なら1/2課税・特別控除50万円があります。売却損は、2014年以後は他の所得と損益通算できません。詳しくは税金・相続のページをご覧ください。
最終更新: 2026-07-11